年明けに発売する商品について味見や意見交換をした「越後ど発酵共同プロジェクト」のメンバー=長岡市
年明けに発売する商品について味見や意見交換をした「越後ど発酵共同プロジェクト」のメンバー=長岡市
越後ど発酵共同プロジェクトが開発した「古志漬けの素」。酒かす、しょうゆなどの生酵素が組み合わさってコクのある風味が特徴だ

 食品ロスを削減し、発酵文化の発信にもつなげようと、長岡市の酒造、みそ醸造会社などによる「越後ど発酵共同プロジェクト」が始動した。廃棄されることが多い酒かすなどを原料に「越後ど発酵」ブランドとして新商品を開発し、海外展開も見据える。第1弾は酒かすや米こうじ、しょうゆをブレンドして再発酵させた漬物のもと。来年初頭の市販を目指している。

 同プロジェクトによると、県内の食品ロス推定9万トン(2018年度)のうち、約1万トンが食品製造業で発生する。プロジェクトではこうした現状を踏まえ、互いが得意とする発酵技術を共有しながら、酒かすや野菜などの食品ロスを付加価値の高い商品に生まれ変わらせ、将来的な食品ロス削減に貢献したい考えだ。

 参加するのは長岡市に拠点を置く柏露酒造、みそ醸造のたちばな、植物工場事業展開のプラントフォームの3社と県醤油協業組合。「発酵の日」の8月6日に発足した。

 長岡市は酒蔵やみそ蔵、しょうゆ醸造業などが集積していることから「発酵のまち」としても知られる。かつて酒蔵から出る酒かすは各家庭に提供され、保存が利かない野菜を漬物にする素材として活用されていた。だが近年はライフスタイルの変化から、廃棄処分が主流という。

 プロジェクトは活動第1弾で酒かすに着目。酒かすを中心に米こうじ、しょうゆを組み合わせた「国内でも例がない」という三つの生酵素が含まれた漬物のもとを、長岡一帯のかつての呼び名である「古志」にちなんで「古志漬けの素(もと)」として来年1~2月に発売する。互いの発酵菌が組み合わさることで酵素がさらに活性化し、うま味が増すという。野菜や料理にそのままつけてディップソースとしても味わえる。規格外野菜のレタスを使った「古志漬け」も同時発売する予定だ。

 2商品は10月下旬、長岡市の発酵醸造文化を発信する催し「HAKKO trip(ハッコートリップ)」でお披露目し、「おいしい」「今までにない味」などと来場者の反応は上々だったという。

 「越後ど発酵」ブランドとして発酵させた米ぬかやおからを原料にした代替チーズ、災害時の保存食などの開発も検討している。今後は他の食品メーカーや農家にも商品開発や販売などで連携を呼び掛け、酵素を使った食品の人気が高い米国など海外での販路拡大も狙う。

 同プロジェクト事務局の遠﨑英史・プラントフォーム営業本部長は「食べたときに『長岡の味だね』と思ってもらえるよう商品を浸透させ、古志の発酵文化を復活させたい」と話し、「他のメーカーにも同じような活動に取り組んでもらい、食品ロス削減につなげたい」と展望を描いている。