メビウスが開発した共同受注プラットフォーム「プロダコネクト」の画面を操作する米谷製作所の従業員=柏崎市

 システム開発のメビウス(新潟市中央区)は、新潟県内の金属加工業者向けに共同受注プラットフォーム「プロダコネクト」の構築を進めている。ウェブ上でデータを共有するクラウドサービスを活用し、発注者側が宿泊予約サイトのように各業者の設備や、その稼働状況などを一目で把握できるようにした。新型コロナウイルス禍による受注減やデジタル化への対応が課題となる中、受発注の効率化や業者間の協業につなげる。

 プラットフォーム構築は、ウイルス禍で航空機産業などが打撃を受けたことが背景にある。新潟市が中心となって航空機産業の育成に取り組む「ニイガタスカイプロジェクト」の参加企業は、受注の減少に直面。製造業を中心にシステムを開発してきたメビウスは、デジタル技術の活用で新たな受注獲得につなげられるのではないかと考えた。

 金属加工業は、熱処理や表面加工など、工程別の分業体制となっている。デジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、業者の繁忙状況や加工実績などを一覧で見られるようにすれば、複数工程の共同受注の拡大やコスト削減につながると開発を進めた。

 同社の林雅人・DXコンサル部チーフマネージャーは「今までは発注者が工場の空き状況や技術を各業者に個別に確認する必要があった。ウェブ上で各社の情報を共有することで、企業の枠を超えて協業しやすくなる」とメリットを語る。

 プロダコネクトでは、参加業者が加工技術や設備の稼働状況、スペックなどをクラウド上に掲載。稼働状況は、比較的空きがある「晴れ」や「曇り」、空きがほとんど無い「雨」などのマークで分かりやすく表示している。発注者側が加工してほしい素材や形状などの条件にあった業者を一括で検索し、見積もりもできるようにした。

 参加企業同士の情報交換に役立てようと、オンラインツールも使って、チャットや図面などの資料の共有機能も備えた。検索状況に関する分析データも閲覧できるようになっており、発注者のニーズ把握につなげる。

 プロダコネクトは8月から運用を開始。現在は切削加工や板金加工、樹脂成形など15社が参加している。

 参加企業の一つで、金型製造などを手掛ける米谷製作所(柏崎市)は昨春、自動車メーカーの減産を受けて、売り上げが一時落ち込んだ。米谷強社長は「いろいろな業界と取引のある企業が参加している。参加企業同士で仕事を回し、安定した受注につながるツールとなってほしい」と期待する。

 メビウスのシステム販売先はこれまで規模の大きな企業が中心で、導入費用も高額になりがちだったが、クラウドを使うことで中小企業でも導入しやすくなった。今後は新潟市の補助を受けながら、オンライン上で工場内を見学できる機能などを追加して、参加企業の拡大を目指す。

 林チーフマネージャーは「参加企業を増やさないと発注実績につながらない。低コストでさまざまサービスを提供できるプラットフォームにしたい」と話している。