名工の優れた技術と持ち主の個性がにじむ品が並ぶ「大キセル展」=燕市大曲
名工の優れた技術と持ち主の個性がにじむ品が並ぶ「大キセル展」=燕市大曲

 江戸時代から大正時代の著名人や庶民が愛用したきせるやたばこ入れなどを集めた「大キセル展-丸山コレクションのすべて-」が21日まで、新潟県燕市大曲の市産業史料館で開かれている。動植物をモチーフにした精巧な彫金・彫刻など、職人の優れた意匠と使い手のこだわりを伝える品々が並んでいる。

 市内では江戸時代にきせる作りが始まり、昭和初期まで一大産地だった。同展では、きせる職人から商人に転身し、東京で喫煙具の製造・販売会社を興した市出身の故・丸山清次郎氏のコレクションから、きせるとたばこ入れなどをセットにした組み物全55点と、きせる26本を紹介している。これまでも同館で一部の品を展示してきたが、組み物を一挙に公開するのは18年ぶりだ。

 組み物やきせるはステータスの象徴、最先端ファッションとして流行。たばこ入れは革や布、きせるを入れる筒は象牙や木などで作られ、素材やデザインに持ち主の個性や趣向が表れている。幕末・明治の俠客(きょうかく)清水次郎長の愛用品には竜や獅子の装飾が施され、「犬公方(くぼう)」で知られる江戸幕府5代将軍、徳川綱吉のきせるには犬がぎっしりと彫り込まれている。

 同館の齋藤優介主任学芸員は「組み物は優れた工芸品として『手のひらの宇宙』とも評され、当時の技術の最高峰。ものづくりの精神に触れてほしい」と話した。

 月曜休館。入館料大人400円、小中高生100円。