ワクチンを接種した6人の抗体価の推移を示すグラフ。時間の経過と共に減少し、1カ月でほぼ半減した(新潟医療センター提供)
ワクチンを接種した6人の抗体価の推移を示すグラフ。時間の経過と共に減少し、1カ月でほぼ半減した(新潟医療センター提供)

 新潟医療センター(新潟市西区)は16日までに、職員を対象に実施した新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体の量や強さを示す「抗体価」などの調査結果をまとめた。抗体価が時間の経過と共に減少することが明らかになり、接種後50日ほどから約1カ月間の推移を追った少人数対象の調査ではほぼ半減した。調査を取りまとめる同センターの内藤眞病理部長は「再び感染拡大リスクが高まる前に、3回目の接種を受ける必要がある」としている。

 調査は同センターの検査科、病理診断科、健診センターが実施。米ファイザー製ワクチンを2回接種した19~80歳の職員526人(男性136人、女性390人)を対象とした。

 感染を防ぐ中和抗体の量や強さを示す抗体価は、2人を除く524人の上昇が確認された。また、うち6人を対象に、接種の約50日後から約1カ月間の抗体価の推移を調べた。その結果、数値が下がっていく傾向がみられ、1カ月でほぼ抗体価が半減することも確認された。副反応と抗体価の相関関係はなかった。

 厚生労働省のワクチン分科会は15日、3回目の追加接種について12月から全国の自治体で実施することを承認した。接種タイミングは2回目から約8カ月以上を基本とし、感染状況などを踏まえ、自治体の判断で例外的に6カ月に短縮することも認める方針を示した。

 内藤病理部長は、ワクチン接種による抗体価には個人差があるとともに、抗体価によって感染リスクを明確に線引きすることはできないと指摘。その上で「一般的には数値が下がるとウイルスに感染しやすくなってしまう。海外では高齢者を中心に感染が再拡大しており、接種の前倒しは安全策として妥当だと思う」と話した。

 また、職員518人(男性134人、女性384人)を対象とした副反応についての調査では、2回目の接種後に37度以上の発熱があった人が56・8%、倦怠感を覚えた人が79・7%で、男女共に1回目よりも増えた。特に女性の症状が重い傾向にあり、解熱鎮痛剤を服用した人の割合は男性よりも多かった。

 同センターの吉澤弘久院長は「ワクチン接種後も抗体価がほとんど上昇しない人がいた。接種が進んでも、マスクや手洗いなどの基本的な予防策を緩めないことが大切だ」と注意を呼び掛けた。

 調査結果は同センターのホームページで公開している。12月中旬から始まる職員の3回目接種でも同様の調査を実施する予定。