チタン製の生活道具ブランド「iroiro」。手前が第1弾製品の定規兼レターオープナー「fish」
チタン製の生活道具ブランド「iroiro」。手前が第1弾製品の定規兼レターオープナー「fish」
発表会で製品や素材について説明した新和メッキ工業の瀧見直晃社長(右)と、日本製鉄東日本製鉄所直江津地区の荻野匡さん=上越市

 新潟県上越市土橋のメッキ加工業「新和メッキ工業」が、チタン製の生活道具ブランド「iroiro(イロイロ)」を新たに立ち上げた。第1弾となる定規兼レターオープナーの先行販売は開始から好調で、今後も製品展開を拡大する予定。上越で製造された意匠性チタンで豊かな色彩と質感を表現しており、同社は「上越のチタン産業を発展させ、チタンのまちを目指したい」と意気込んでいる。

 創業60年の新和メッキ工業は、暖房器具やガス器具部品のメッキ処理に取り組む。事業は主に企業間取引で、消費者向けの製品販売は今回が初めて。父親から引き継いで今年社長に就任した瀧見直晃さん(38)は、今後の事業を見据えた時、地域活性化や地域に愛される会社を目指す必要性を感じたという。そこで「地元の素材を地元で加工し、多くの人の手に取ってもらえる製品を作りたい」と考え、関係企業やデザイナーと企画を練ってきた。

 「イロイロ」は、日本製鉄が東日本製鉄所直江津地区(上越市)を主要拠点として製造する意匠性チタン「TranTixxii(トランティクシー)」を採用した。軽くて耐久性があり、多様な色彩が表現できる点が特長。本年度のグッドデザイン賞も受賞した最先端素材だが、地元上越で取り扱う企業は少なく、「いい素材があるのにもったいない」という声もあった。日本製鉄も地域貢献の一環として新ブランドの研究開発を支援した。

 こうして生まれた第1弾は定規兼レターオープナー「fish」。魚の形で15センチ分の目盛りがあり、薄さ0・6ミリ。上越の冬を表す青、高田城のハスの花をイメージしたピンクなど7色展開。このうち一つは、チタンならではの鮮やかな発色を一目で楽しめるグラデーションカラーとした。1本1650円。

 16日にクラウドファンディング型の商品購入サイト「Makuake」で先行販売を始めると、目標の購入総額15万円を一気に上回り、初日から100万円を突破。来年には自社サイトで販売開始する予定で、キャンプ用品のペグやマルチトレーなどの商品展開も準備している。

 同日に新和メッキ工業で開かれた報道陣向け発表会で瀧見社長は、チタンの発色工程を披露する出張授業などを行う考えも示し、「上越が世界に誇るチタン素材を広く知ってもらいたい」と語った。