2021年の企業数に占める女性社長の割合を指す「女性社長率」が新潟県は9・1%となり、47都道府県で最下位だったことが18日までに、東京商工リサーチの調べで分かった。全国ワーストは16年調査から4回連続。女性社長は年々増え、今回初めて全国で50万人を突破した。だが、本県を含む日本海側各県は軒並み低位に沈み、上位都府県との差が際立っている。

 東京商工リサーチが保有する約400万社の経営者情報から女性社長(病院・生協等の理事長を含む)を抽出して分析した。10年から毎年、17年以降は隔年で実施し、今回で10回目。

 21年の全国の女性社長率は14・2%で、19年の前回調査から0・6ポイント上がり、10回連続で上昇。本県も前回から0・3ポイント上がったが、上昇幅が小さいために全国との差が開いた=グラフ参照=。

 女性人口10万人当たりの女性社長数でも、本県は420人と全国最少だった。最多は東京の1982人で、沖縄1178人、大阪1134人、山梨1001人と続いた。人口が多い大都市のほか、観光地を抱えてサービス業が盛んな都府県が上位に食い込んでいる。

 同社新潟支店は「本県は新設法人数が少なく、それが女性社長数とも連動している。女性に特化した創業塾やセミナーなどが他県に比べ少ない印象があり、対策が必要だ」と指摘している。

◆働き方や産業構造が影響か

 本県は企業数に占める割合や人口比で女性社長が全国で最も少ないことが、東京商工リサーチの調査で明らかになった。東日本の日本海側など、本県と地理的にも近い県で順位が低い傾向が浮き彫りになった。同社は、安定志向の県民性に加え「産業構造や女性の働き方などが影響している可能性がある」とみている。

 企業数に占める本県の女性社長率は、初回2010年の6・9%から徐々に伸び、21年は9・1%となった。ただ、都道府県別の順位は初回からの6回は45位と46位、21年を含む直近の4回はいずれも47位でワーストとなった。

 21年は女性社長率の全国平均が14・2%となり、トップの沖縄県は20・4%と唯一20%を超えた。一方で10%を下回ったのは、本県と山形、福井、富山、石川の5県だけ。地区別では九州や近畿地方が高く、大都市以外でも、大分(16・0%)、山梨(15・2%)、奈良(15・1%)、鳥取(14・4%)などが上位にラインクインしている。

 産業別では、サービス業他が47・1%と約半数を占める。飲食業や医療・福祉事業、美容関連など、小資本での起業が可能な分野への進出が多い。

 女性社長率のトップは不動産業の24・1%。対照的に女性社長が少ないのが建設業(5・3%)、農・林・漁・鉱業(7・9%)、運輸業(8・9%)、製造業(9・8%)などで、いずれも1割に満たない。

 全国の女性社長は54万919人で、19年の前回調査から13・0%増えた。都道府県別で最多は東京の14万1962人で、調査開始以来10回連続でトップ。大阪5万2249人、神奈川3万4457人、愛知2万8712人、福岡2万3745人など、大都市圏で事業所数も多い都府県が続く。

 上場企業3887社のうち、女性社長は判明分だけで46社と前回より5社増加したが、全体に占める割合は1・1%にとどまる。本県では、アウトドア用品開発のスノーピーク(三条市)の山井梨沙社長(34)=東証1部=、建設コンサルタントのキタック(新潟市中央区)の中山正子社長(51)=東証ジャスダック=の2人がいる。

 東京商工リサーチは、本県や北陸など女性社長が少ない県について、国の調査などから働く女性の割合が全国でも高い点で共通すると指摘。「おそらく企業に属して働いていて、勤め先での仕事内容や待遇などを踏まえれば、自ら会社を起こすまでもないと考える人が多いのだろう。そもそも内部昇進で女性が社長就任にまで至るケースは地域を問わず少ないため、こうした現状も反映しているのではないか」と分析している。