新潟交通電車線の写真集を出版した海津英夫さん=新潟市西蒲区
新潟交通電車線の写真集を出版した海津英夫さん=新潟市西蒲区
廃線となった電鉄の往時の姿を収めた写真集「昔、電車が走っていた」

 新潟市と燕市を結び、廃線となった新潟交通電車線(電鉄)の往時を収めた写真集「昔、電車が走っていた」(新潟日報事業社)を、新潟市西蒲区和納の元教諭、海津英夫さん(63)が出版した。2017年に他界した父一郎さん=享年(86)=が撮りためた写真に、海津さんが説明文と新たな写真を加えた共作。通販サイトで鉄道図書部門で上位に入るなど、電鉄ファンの反響を呼んでいる。

 一郎さんは大の鉄道好きで、全国の鉄道を訪ね、自分のホームページ(HP)で発信もしていた。海津さんは再任用の職も辞した昨年春、一郎さんの遺品を整理し、アルバムに収められた大量の鉄道写真を発見。写真の裏には撮影の日時、場所も記されていた。

 海津さんは「資料として価値がある。父がHPでしていたように、多くの人に見てもらおう」と出版を決意。自身も通学で使った電鉄に絞った写真集にしようと考えた。

 出版に向けて写真の説明文を書くとともに、廃線後の現状も伝えるため、一郎さんが写した場所を訪ねた。東関屋駅(新潟市中央区)跡では、写り込んだ酒店を目印に「ここから撮ったのか」と父の足跡を確認した。旧灰方駅(燕市)近くでは、架線柱や枕木など遺構も撮影した。

 完成した写真集には、一郎さんの写真を中心に約250枚を載せた。旧県庁前を走る姿や、1999年の最後の運行日に「さようなら」のヘッドマークを付けて越後大野駅(新潟市西区)に停車する車両など、電鉄とまちの変化を伝えている。

 10月の発売後、大手通販サイトの鉄道図書部門で上位に入った。海津さんは「写真集を見た人から『これに乗っていた』『近所を走っていた』と反応があってうれしい」と顔をほころばせた。

 写真集はA4判96ページで1650円。問い合わせは新潟日報事業社、025(383)8020。