見事な虹のアーチを見た。七色の架け橋の外側にはもう一つの副虹(ふくにじ)も。しばし眼福を楽しんだ。虹というと夏のイメージがあるけれど、新潟では今ごろもよく目にするように感じる

▼空気中の水滴に太陽の光がぶつかると、光の色によって反射する角度が違うので、七色の虹が見えるようになる。新潟の初冬は大気の状態が不安定になりやすい。強い雨が降ったかと思えば、厚い雲の間から日差しが届くこともある。虹ができやすい環境ということか

▼俳句の世界では、虹は夏の季語である。ただ「冬の虹」というと冬の季語になる。はかない美しさの象徴だという。〈冬の虹とびもからすも地をあゆみ〉金尾梅(かなおうめ)の門(かど)。荒れた天気で、鳥たちも飛ぶのを諦めたのだろうか。どこかしら寂寥(せきりょう)感も漂う

▼きょう22日は二十四節気の小雪。山あいの紅葉が散り、初雪が舞い始める頃である。二十四節気をさらに三つに分けた七十二候では、小雪の最初の数日を表す初候を「虹かくれて見えず」と呼ぶ

▼曇り空が多く、日差しが弱くなるために虹を見ることが少なくなる時季だという。太平洋側では、こうした認識が一般的なのかもしれない。日本海側との気候の違いが、大きく表れてくる頃合いである

▼初冬の新潟に虹を見せてくれるような不安定な大気は、本格的な風雪がやがて訪れることを告げているようだ。「そろそろ冬支度を」と促しているようにも感じられる。厳しい季節の訪れを前に、冬の虹は天が遣わす小さな慰めでもあるのだろうか。