警察、消防による実況見分が行われた二宮神社の火災現場=24日、佐渡市二宮
警察、消防による実況見分が行われた二宮神社の火災現場=24日、佐渡市二宮

 拝殿などを全焼した新潟県佐渡市二宮(にくう)の二宮神社。24日、地域のシンボルを失った住民らは「悲しい」「ショック」と落胆した表情を見せた。一方、市の文化財に指定されている能舞台は被災を免れており、「能を通じて神社再建への道筋ができないか」といった声もあった。

 市公式観光情報サイト「さど観光ナビ」によると、二宮神社は800年前に佐渡に配流された順徳上皇の第2皇女、忠子女王が祭られており、境内には宮内庁が管轄する御墓所がある。宮司の森谷雅勝さん(76)によると、火災による御墓所の被害はなかった。

 火災は22日夜に発生し、約4時間後に鎮火。時折強い風が吹き付けた24日も警察、消防による実況見分が行われた。焼失面積は拝殿、本殿、社務所を合わせて約305平方メートル。

 社殿は黒く焼け焦げた骨組みが残る。森谷さんは「非常に残念な気持ちでいっぱいだ」と肩を落とす。再建に向けて関係者と話し合いたいとする一方、「お金だけでなく、再建を目指す機運を高めないといけない」と険しい表情だった。

 二宮神社では24日、実りに感謝する新嘗(にいなめ)祭が行われる予定だった。住民は火災後も神前に供える「神饌(しんせん)米」を神社の氏子総代に託した。氏子総代の代表を務める本間正裕さん(66)は「宮司と相談し、仮の場所を設けて新嘗祭を行いたい」としている。

 能舞台については市が調査した結果、屋根や外観、内部とも被害がなかったことを確認した。

 能舞台で薪能の企画に携わる二宮神社薪能実行委員会の山本茂夫会長(82)は「神社は地域のシンボル。能を通じて神社の再建につながるような方法を考えたい」と話した。

 他方、佐渡産の石英安山岩で作られている市指定文化財「石造狛犬」の2体は、首や胴体が割れるなどの破損があった。市文化財室は「所有者や専門家と協議し、修復など今後の対応を検討する」とした。