新潟県は26日、県内で指定している土砂災害警戒区域1万4117カ所のうち44カ所について、関係する17市町村に警戒区域であることを伝えていなかったと発表した。いずれも二つの市町村にまたがる区域で、一方への連絡が漏れていた。これらの区域は市町村のハザードマップに反映されていないなど、地元住民に災害リスクが認識されていない恐れがある。

 県砂防課の深田健課長は県庁で記者会見し、「県民の安全、安心に直結する重要な情報が伝わっておらず、大変申し訳ない」と陳謝。各市町村に対し、年内にも本来、必要な手続きを行い、周知を図るとした。市町村には区域に関する新たな警戒・避難体制の整備を依頼するほか、住民には区域を示した地図を届ける。

 同課によると、関係市町村の一方に伝わっていなかった17市町村の44区域内のうち、新潟市、上越市、加茂市など8市町村には住宅が計32戸ある。これらの区域内には、住宅の建て替え時などに安全を考慮した構造とするなどの制限がかかる「特別警戒区域」は14カ所あり、魚沼市と弥彦村それぞれの特別警戒区域内に1戸ずつが確認されている。

 県が土砂災害警戒区域を指定する際、区域が複数の市町村にまたがる場合はいずれの市町村にも連絡し、市町村長から意見を聞いた上で、公示する必要がある。

 県砂防課の深田課長は会見で、適切な手続きが行われなかった原因について、市町村の境界に対する認識が甘く、その確認作業が徹底されていなかったと説明。再発防止のため、確認作業を必須の業務とし、チェックリストに入れて実施を担保するとした。

 土砂災害警戒区域を巡っては、鹿児島県が関係市町村の一方に通知を怠っていた事例が発覚したのを受け、国土交通省が今月中旬、各都道府県に同様の事例がないか調査、対応するよう通知していた。