デマンド型乗合タクシー「寺泊まりん号」から降りる利用者=長岡市寺泊磯町
デマンド型乗合タクシー「寺泊まりん号」から降りる利用者=長岡市寺泊磯町

 公共交通の利便性を高めようと、新潟県長岡市が寺泊地域で「デマンド型乗合タクシー」の実証運行を来年9月まで展開している。寺泊地域内であれば乗降場所を利用者が指定でき、自宅から目的地まで直接行くことができる。実証を通じ、課題を洗い出して、本格運行につなげたい考えだ。

 寺泊地域にはJRの駅が二つあるが、駅から離れた地域は多く、バス停が近くにない集落もある。このため、旧合併市町村ごとに置かれた住民組織の地域委員会が生活交通の確保を6年前から検討。昨年夏に乗合タクシーの導入を目指すことを決めた。

 実証運行は10月1日に始まった。9人乗りのジャンボタクシーを使い、月・水・金曜日の午前8時半から午後3時の間に、1日5便を運行する。生活用品を買う店舗が集まる燕市分水地域の2カ所にも停留所を設けた。実証期間は1年間で、事業費は約400万円。

 運行開始からほぼ毎週利用している女性(79)は「天候の悪い時、バスは大変で家の前まで来てくれるのは快適。ずっと使いたい」と満足そうに話す。

 料金は寺泊地域内は1回200円、分水エリアまでは1回400円。200円分が11枚つづりの回数券も2千円で販売している。寺泊の住民に限らず、誰でも利用でき、事前に電話で予約する。

 予約の受付・運行は、タクシー事業を手掛ける寺泊交通(寺泊川崎)に委託した。より多くの人の希望に添えるよう調整し、定員を超える際は小型タクシーも出して対応する予定だ。

 10月は65便のうち60便に予約が入り、稼働率は92%と、想定の6割程度を上回った。また1カ月間の利用者は延べ171人だった。

 寺泊支所地域振興課は、年を取って自家用車を使えなくなる人が出てくるとした上で、「迎えに来てもらうのは悪いとためらわず、一度利用してみてほしい」と勧める。住民説明会も開いていく予定だ。