東京電力柏崎刈羽原発
東京電力柏崎刈羽原発

 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発でテロなどを防ぐ核物質防護体制の不備が相次いだ問題で、東電は2015年度から既に侵入検知設備が故障した際に不適切な代替措置を取っていた可能性があることが29日、分かった。同原発6、7号機は17年12月に原子力規制委員会による新規制基準適合性審査に合格しており、規制委がテロ対策の不備に気付かないまま安全性を認めた疑いが浮上した。

 東電がこれまでに公表した報告書などによると、同原発の侵入検知設備が故障した際、社員1人がカメラで監視する代替措置を講じた。ただ、この社員は別の業務も兼ねており、目を離すことがあった。

 この代替措置について、県議会の非自民党無所属議員でつくる会派「リベラル新潟」が今年4月の県議会連合委員会で参考人招致された東電幹部に開始時期を尋ねたが、回答を得られなかった。リベラル側はその後も再三、東電に回答を求めたが、東電は「調査中」などとして答えなかった。

 東電は9月、同原発での核物質防護不備に関する報告書を規制委に提出。この中でも代替措置が始まった時期は明示しなかった。

 関係者によると、東電は近くリベラルに対し、代替措置を取ったことが確認できたのは、記録が残る範囲で「2015年4月4日」が最も古いとする回答を示すもようだ。東電新潟本社は新潟日報社の取材に対し、回答を用意していることは認めたが、内容を明らかにしなかった。

 代替措置の時期を巡り、リベラルは、規制委が東電の不適切な代替措置を見落としたまま、6、7号機を合格させたとの疑念を持っている。リベラルの重川隆広幹事長はこれまでの取材に「規制委のチェックの在り方に問題を感じている」と述べている。