W杯シリーズ王者を決め、現地のインタビューに応える中井飛馬選手=トルコ・サカリア(日本自転車競技連盟提供)
W杯シリーズ王者を決め、現地のインタビューに応える中井飛馬選手=トルコ・サカリア(日本自転車競技連盟提供)
最終戦でトップを走る中井飛馬選手(左)=トルコ・サカリア(日本自転車競技連盟提供)

 自転車競技BMXレーシングのワールドカップ・U23(23歳以下)で、新潟県上越市飯(いい)出身の中井飛馬(あすま)選手(21)=日本体育大学=が、2021年シリーズの総合王者に輝いた。骨折を乗り越え、日本人選手では2人目となる快挙を達成。目標に掲げる2024年パリ五輪でのメダル獲得に向け、大きな弾みとなった。

 中井選手は5歳で競技を始め、地元の金谷山公園のBMX場で技を磨いてきた。17年の世界選手権ジュニア部門で4位、19年の全日本選手権で優勝。現在は米国を拠点に、世界各地を転戦している。

 U23は今季新設されたカテゴリーで、5月から10月末まで全8戦が行われた。順位ごとに与えられるポイントの累積で王者を争った。日本自転車競技連盟(東京)によると、ワールドカップ(W杯)で日本人が総合王者となるのは、東京五輪代表だった中村輪夢(りむ)選手以来。

 中井選手は5月にコロンビアで開かれた第3、4戦で連勝。シリーズ後半戦も好調をキープした。10月下旬からトルコで行われた第5、6戦はいずれも2位で表彰台を確保。31日の最終戦を制し、初代王者の座を勝ち取った。

 後半戦の舞台となったトルコは、地理的に近い欧州の有力選手が多く参戦していた。ポイント数で上位に立ち、強豪たちから追われる立場だった中井選手は「プレッシャーがすごくて、張り詰めた気持ちだった」と振り返る。

 コースの起伏でもスピードを落とさない力強い走りが持ち味。連戦で疲労は蓄積していたものの、予選と決勝でのペース配分を意識。シリーズを通じて大崩れせず、ポイントを着実に積み上げた。

 「ハイレベルな戦いだったが、結果を出せて良かった」とほっとした様子だ。

 けがを乗り越えた年でもあった。7月にはレース中に転倒し、鎖骨を折った。8月に予定していたオランダでの世界選手権はやむなく欠場。気持ちを切り替え、回復に専念した。「メンタル的にも大きく成長できた」と実感している。

 東京五輪での日本代表は逃したが、会場で観戦し、「五輪の舞台は大きいとあらためて感じた」と刺激を受けた。

 目指すは3年後のパリ五輪。「今季の優勝で自信と経験が身についた。この調子で目標を達成し続けていきたい」と力強く語った。