新潟県は29日、静岡県熱海市の大規模土石流災害を受け実施した盛り土総点検の結果を公表し、県内4カ所に無許可や廃棄物の混入などの違法な盛り土があったと明らかにした。県は、いずれの盛り土も直ちに土砂災害につながる状態ではないとしている。

 国の通知を受け、県は8月から2000年以降に形成された盛り土の実態を調査。その結果、県内には1132カ所に盛り土があり、このうち佐渡市の3カ所、上越市の1カ所が違法な手法による盛り土だった。県が現地調査し、崩落の危険性がないことを確認した。

 佐渡市井坪の盛り土(面積約7800平方メートル、高さ約55メートル)は、県に届け出が必要な砂防指定地内に無許可のまま造成されていた。約2キロ下流には集落(21戸)があり、土砂災害警戒区域に指定されている。

 県砂防課によると、1995~2009年に佐渡市が実施した工事で発生した残土の処分と、18年に県が実施した工事による残土の搬入が行われていた。

 同課の深田健課長は、原因について調査中とした上で「佐渡市や県の担当者に、砂防指定地だという認識がなかったのかもしれない」と話した。

 上越市板倉区別所の林に造成された違法盛り土には、がれきなどの廃棄物が混入していた。現在、事業者が廃棄物を撤去している。

 佐渡市のほかの2カ所の盛り土は、無届けで山間地に造成されていた。

 県土木部の棚橋元技監は「公共工事を実施する際は適切な手続きを取るよう改めて徹底したい」と述べた。

 県はこれまで、「土石流の特別警戒区域」内の盛り土の緊急点検を実施。佐渡市の2カ所で盛り土が見つかったが、土砂災害の危険性はなかった。