新代表に求められるのは、党を一つにまとめ、国民が政権の選択肢と認める野党第1党に再生できるかに尽きる。その鍵は代表選で約束した挙党態勢構築を実現できるかになろう。

 枝野幸男氏の後継を決める立憲民主党の代表選は30日、投開票が行われ、泉健太政調会長が新代表に選出された。

 党員らが初めて参加して行われた代表選は接戦となったが、1回目の投票でトップとなった泉氏が逢坂誠二元首相補佐官との決選投票も制して新代表の座を手にした。

 泉氏は、新潟1区選出の西村智奈美元厚生労働副大臣ら立候補した4氏の中で最も若い47歳ながら、当選8回を数える。

 今後、先の衆院選で敗北した党勢の立て直しに臨むことになるが、その基盤は役員人事だ。

 泉氏は代表選を戦った西村氏ら3氏について執行役員に起用すると表明した。執行部の半数を女性にするとも明言した。

 挙党態勢と多様性を具体化した「泉カラー」を示せるかに注目したい。

 代表選では4氏の主張に違いが見られないとの指摘もあったが、政権と対峙(たいじ)する姿勢では相違点が浮かんだ。

 旧国民民主党出身の泉氏が「政策提案型」と強調したのに対し、旧立民出身の西村氏は「与党の術中にはまる」などと警戒感を示す場面もあった。

 こうした路線の違いは2党が合流して発足した立民が抱える根源的な課題でもある。

 泉氏は演説で「党内の垣根をなくしたい」と強調したが簡単な話ではないだろう。丁寧に融和を図ってもらいたい。

 エネルギー政策を巡っては「原発ゼロ」という表現に温度差がうかがえた。

 4氏は原発の依存度を着実に減らす点で一致したが、西村氏が原発ゼロを「早期に実現したい」としたのに対し、泉氏は「電力の安定供給は政治の責任だ」とし慎重姿勢が見えた。

 原発政策は本県にとっては特に関心が高い。国政選挙でも注目される。泉氏が党をどうまとめるか、目を凝らしたい。

 喫緊の課題となるのは、来夏の参院選での野党共闘だ。

 就任記者会見で泉氏は国民民主党との関係改善に意欲を見せた。一方、「限定的な閣外からの協力」をするとした共産党との政権構想には「単に継続ではなく、しっかり総括しなければならない」と強調した。

 選挙戦で与党と一対一の構図をつくる意義は泉氏も認めている。立民が参院選でどう野党の結集軸となるのかも焦点だ。

 今回の代表選は西村氏が女性唯一の候補で、本県関係国会議員として初めて野党第1党の党首選を争った。

 4位に終わったとはいえ、県内有権者にとっては、国政を身近に感じさせてくれる立候補となったのではないか。

 西村氏は、参院選で女性候補を増やすことなどを訴えた。党や支持者に対し、さらに重い責任を負ったことは間違いない。そのことも肝に銘じてほしい。