傷みが目立つ長屋門について説明する宗村里士会長(左)=三条市月岡
傷みが目立つ長屋門について説明する宗村里士会長(左)=三条市月岡

 新潟県三条市月岡から下大浦にかけての丘陵地帯(通称・道心坂)にある江戸期の建造物「長屋門」を再生しようと、同所でオオヤマザクラ保全活動を続けるボランティアグループ「ノジコの会」が寄付を募っている。屋根瓦の一部が崩落するなど老朽化が進むことから、同会の宗村里士会長(67)は「このままだと歴史ある文化遺産が失われてしまう。修繕後は、国の登録有形文化財として認定してもらう活動を進めたい」としている。

 長屋門は、間口28・5メートル、奥行き3・9メートルで、下田地区へ向かう市道脇に立つ。もともとは1838(天保9)年に見附市の大庄屋・渋谷家が、藩主を迎える陣屋となったことから屋敷門として同市傍所町に建造。1978年ごろ、三条市出身で都内で不動産業を営む故・川俣芳衛さんが現在の場所に移築した。川俣さんは道心坂一帯を自然公園として活用する構想を持ち、オオヤマザクラを植樹するなど整備を進めていた。

 ノジコの会は2000年、川俣さんが植えたオオヤマザクラ並木が荒廃してきたため、保全活動を行おうと市民有志で結成。植樹も進め、今では会員39人が、千本に増えたオオヤマザクラ並木を管理している。

 同会が活動する道心坂にある長屋門については、13年度に長岡造形大の平山育男教授による歴史的建造物調査が行われ、「大庄屋の遺構にふさわしい建物」として国の登録有形文化財に値すると評価。一方で、会員の間では「このままでは崩れてしまう」と声が上がっていた。3年前、修繕には230万円かかるとの見積もりを受けいったんは断念したが、昨年ノジコの会が20周年を迎えたことを機に、再生プロジェクトに着手した。

 11月28日には、降雪に備え会員ら約20人が長屋門の屋根にブルーシートをかけた。時折雨が降る中、無事作業を終えた宗村会長は「ほっとした。10年後、崩れてしまうか市民に親しまれる場所になるか、今が正念場」と力を込めた。

 寄付は、修繕費250万円以上を集めることを目標に、修繕用の瓦1枚千円を千枚分と、事業所や団体、個人を対象に一口2千円以上を募る。瓦募金の寄付者の名前を瓦裏面に記すほか、それ以外の寄付者名はプレートに記載し修繕後、建物内に掲示する。

 同会では、市内で最古の国登録有形文化財認定を目指し、ビジターセンター的機能を持ちイベントなども行える場所として建物を活用したい考えだ。宗村会長は「若い人もたくさん来てくれるおしゃれな場所にしたい。オオヤマザクラ並木とともに、道心坂のシンボルとして市民に楽しんでほしい」と力を込めた。

 問い合わせ、募金申し込みはノジコの会事務局、0256(38)5236。

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