古町演芸場に机と座椅子を置き、交流サロンとしても使えるようにした逸見友哉支配人=新潟市中央区
古町演芸場に机と座椅子を置き、交流サロンとしても使えるようにした逸見友哉支配人=新潟市中央区
古町演芸場の前でおいらん道中を披露した大衆演劇の「劇団美鳳」。通りには人だかりができた=2006年

 新型コロナウイルスの影響で昨年5月に閉館した新潟市中央区の古町演芸場が今秋、交流サロンとして再オープンした。まちなかのにぎわい創出につなげ、大衆演劇の公演再開も目指している。逸見友哉支配人(41)は「一定の入場料が見込めない状況で、劇団を招くのが難しい」としながらも、「できるだけ早く公演を再開したい」と前を向く。

 交流サロンは月3000円の会員制で、会費を演芸場の運営費に充てる。

 ステージを備えた1階の大広間は90畳あり、120席の対応が可能。テーブルと座椅子を置いて多目的室としても利用できる。かつて大衆演劇の劇団員が寝泊まりしていた2階の楽屋は、キッズルームや仮眠室、シアタールーム、多目的室などにし、トレーニングジムも備えた。

 古町演芸場は2005年にオープンして以来、各地の大衆演劇の劇団が公演に訪れていた。演目は時代劇が中心で、涙ものの人情劇や喜劇、剣劇など。逸見支配人は「きらびやかさと分かりやすさが大衆演劇の魅力」と語る。近くの劇場支配人を務めていたが、古町演芸場の閉館後、経営を引き継いだ。

 ウイルス禍に伴い、インターネットでのライブ配信など、エンターテインメントの楽しみ方が変化しているといわれる。しかし、逸見支配人は「演芸場の公演にはネットにない現場の熱量、一体感や空気感がある」と強調する。

 公演再開を願うファンの声は根強いが、ウイルス禍の収束だけでなく会員を増やして経営の基盤を固める必要がある。「会員数が100人ぐらいになれば、劇団を呼ぶ余力が出てくる」。ただ、演芸場の現会員は50人程度にとどまっている。

 今後、イベント開催などで交流サロンの周知を図り、地道に会員を増やしていく考えだ。逸見支配人は「演芸場の面白さを多くの人に知ってもらい、維持運営に協力してもらいたい」と呼び掛けている。