新潟県職員の時間外勤務(残業)の上限のうち、業務量が増えた場合でも守らなければならない年720時間を超えた職員が2020年度は85人で、前年度の36人から倍以上に増えたことが7日までに分かった。「過労死ライン」とされる月100時間以上の時期があった職員も65人から87人に大幅増。新型コロナウイルス対応が要因で、県は「上限規制の例外に当たる」としつつ改善に取り組む方針だ。

 県が教育委員会や県警、企業局、病院局などを除く知事部局の約5500人の残業状況をまとめた中で分かった。残業時間の年間上限は原則360時間だが、予見できない事態を受けて業務量が大幅に増えた場合は緊急的措置として720時間まで認められている。

 県人事課によると、上限を超えたのは、患者の受け入れ先の調整などウイルス対応を担った福祉保健部のほか、経済対策の事務や予算編成に当たった部署の職員が中心。最長だった職員の残業は年1416時間に上った。

 同課は「他部署からの応援態勢を組んだり、疲れの具合をみて休暇取得を促すなど対応した」と説明。現時点で著しい健康被害の報告はないという。

 県は長時間の残業をしていた県教育委員会の職員が死亡した問題を受け、18年に「県庁働き方改革行動計画」を策定。時差出勤や終業から始業までの間隔を最低10時間は確保する「勤務間インターバル制度」などを導入し、県人事委員会規則で定められた上限を超える残業をなくすことを目指してきた。

 17年度に年720時間を超えた職員は121人、月100時間以上は149人だったが、18、19年度と減少が続いた。しかし、20年度は新型ウイルス流行の影響で3年ぶりに増加に転じた=グラフ参照=。

 ただ、同規則では、大規模災害などへの対応でやむを得ない場合は、年720時間、月100時間の上限を超えて残業を命じることができるとされている。

 県人事委も20年度の残業の調査結果で、上限超過について「緊急の対応で時間外勤務を行う必要があった」と認めた。一方で、「一部職場で常態化し、抜本的な見直しを検討する必要がある」とも指摘した。

 11月の県議会臨時会で一部県議がこの問題を指摘。花角英世知事は「引き続き効率的な業務遂行や柔軟な働き方の導入などを推進したい」と述べた。