市議会議長との面会を終え、報道陣の取材に応じる中川幹太市長=8日、上越市役所
市議会議長との面会を終え、報道陣の取材に応じる中川幹太市長=8日、上越市役所

 新潟県上越市の中川幹太市長は8日、10月の市長選で公約に掲げていた副市長4人制などを含む市役所改革の早期実現を事実上、断念することを表明した。改革案を巡っては市議からの強い反発を受け、開会中の市議会12月定例会で関連議案の成立が厳しい情勢となっていた。中川市長は時期を改めて議案を再提出する考えを示した。

 中川市長は就任早々に打ち出した目玉施策を市議会から断念に追い込まれ、苦しい船出となった。市議会は、市長選で中川氏の相手候補を支援した市議が大半を占めており、今後も難しい対応を迫られそうだ。

 中川市長は8日朝、市議会の飯塚義隆議長と冒頭を除き、非公開で面会。提案済みの補正予算案のうち市役所改革関連部分を見直すことと、今会期中に提案する予定だった、副市長4人制を前提とした人事案件の提出取りやめを伝えた。

 市役所改革は、中川市長にとって市長選の公約の柱だった。市長は就任後、副市長の増員と、民間の専門家が市長に助言を行う「政策諮問委員」制度を創設することを表明し、12月定例会で早速、副市長増員の条例改正案と、諮問委員の報酬を盛り込んだ2021年度補正予算案を提案した。

 しかし、6日の市議会総務委員会で「組織改革の全体像が見えない」「提案が拙速だ」との批判が相次ぎ、条例改正案、補正予算案とも全会一致で否決された。諮問委員の報酬を補正予算案から削除し、再提出を求める「組み替え動議」も可決された。

 補正予算には新型コロナウイルスの経済対策なども盛られており、組み替えないまま本会議で否決されれば、市民生活への影響が大きいため、市長は修正に応じることを決めた。副市長の人事案件についても「4人制の成立が前提だった」として提出を取りやめた。

 一方、副市長4人制の条例改正案自体は取り下げなかった。今定例会で否決された場合について「たくさんの方と議論し、再び提案したい」と強調した。