不振が続く三面川の鮭漁。例年に比べ、来遊数のピークが長続きしないという=9日、村上市羽下ケ渕
不振が続く三面川の鮭漁。例年に比べ、来遊数のピークが長続きしないという=9日、村上市羽下ケ渕

 伝統的な鮭(さけ)文化を誇る村上市の三面川で、鮭漁の不振が続いている。川幅いっぱいに設けた仕掛け「ウライ」による漁獲数は7日現在、1万64匹で、過去5年と比べると3分の2程度にとどまっている。温暖化の影響も指摘されるが明確な理由は分からず、関係者は「人工ふ化に必要な卵も目標の6割しか採れていない。これでは今後の鮭漁に影響が出かねない」と心配している。

 一括採捕は10月21日にスタート。10月は晴天が続いて気温が下がらず、来遊が本格化するはずの11月は、雨による増水でウライが水没して漁にならない日が10日以上もあった。このため、一日の捕獲数は200匹未満が続いた。

 12月に入って600匹を超える日もあったが、長続きしないという。来遊数の伸び悩みについて、三面川鮭産漁業協同組合の佐藤克雄組合長(72)は「温暖化で季節が遅く推移しているという指摘はあるが、原因は分からない」と話す。

 専門家も頭を悩ます。県水産海洋研究所の河村智志所長(57)は「海水温は平年並みで、不振の原因ははっきりと分かっていない。北海道は前年並みだが、青森以南は少ないと聞いている。他県とも連携して原因を調べたい」とする。

 関係者によると、ウライの老朽化による鮭の通り抜けも一因とみられるほか、ウライに上がった鮭が夜間に盗難されたのではないかと疑われる事案も起きているという。

 今後の鮭漁を不安視する声も出ている。増殖用の人工ふ化に必要な目標採卵数は1千万粒だが、確保したのは6割と低迷。組合は例年12月上旬までだったウライの設置を、今年は許可期限ぎりぎりの15日まで延長し、残り400万粒の確保に全力を挙げる。佐藤組合長は「卵を取り出せる雌が毎日100匹上がれば何とか届きそうだ」と語る。

 三面川の直売所(同市羽下ケ渕)で販売する鮭やイクラの値段も高騰している。担当者は「それぞれ昨年より5、6割値上げせざるを得ない」と打ち明ける。

 海でも鮭漁は不振だ。新潟漁業協同組合岩船港支所によると、岩船港では同市馬下沖での定置網漁をほぼ終えたが、今年の水揚げは大しけに見舞われたこともあり、32トン弱にとどまり、昨年より81トン減少した。

 伴田航支所長(48)は「いつもの場所に鮭がおらず、長年の漁師の勘が通用しなくなっている」と表情を曇らせた。