(左)総決起集会で決意を語る名古屋祐三氏=7日、見附市本町4(右)個人演説会で支持を訴える稲田亮氏=8日、見附市今町1
(左)総決起集会で決意を語る名古屋祐三氏=7日、見附市本町4(右)個人演説会で支持を訴える稲田亮氏=8日、見附市今町1

 前市長の久住時男氏の辞職に伴う新潟県見附市長選は、12日の投開票まであと2日と迫り、いずれも無所属新人で、元県職員の名古屋祐三氏(66)と元国土交通省官僚の稲田亮氏(50)が激戦を繰り広げている。5期19年続いた久住市政の刷新か継承かなどを巡り、舌戦を展開。両陣営とも投票率は「60~65%」とみており、浮動票の獲得を図る。

◆名古屋市 経験と即戦力を強調

 名古屋氏は、久住市政に批判的だった自民党見附支部長の早川吉秀元県議や、自民系の5市議らの支援を得て運動する。出身地の新潟町地区を中心に集会を開き、財政健全化などの政策の浸透を訴えてきた。

 集会には早川氏の人脈で、県職員時代につかえた元知事で自民党の泉田裕彦衆院議員(比例北陸信越)や、来夏の参院選新潟選挙区に立候補予定の同党の小林一大県議らが来援。泉田氏は「名古屋さんはお金のプロ。予算編成も執行も熟知し、即戦力だ」と支持を呼び掛けた。

 街頭演説で名古屋氏は「多選の弊害で市政によどみがでている。即戦力には若さよりも経験だ」と訴えている。7日の総決起集会では支持者ら約190人を前に「見附を変えたい市民の受け皿になる。継承を阻止する」と訴えた。街頭演説を中心に、無党派層の取り込みに力を入れる。

◆稲田氏 継承路線明確に主張

 稲田氏は後継として出馬を要請した久住氏をはじめ、立憲民主党の菊田真紀子衆院議員(新潟4区)や連合新潟、地元選出の小泉勝県議などの支持を受ける。自民党の国定勇人衆院議員(比例北陸信越)の支持者や自民系市議の一部も応援し、組織戦を展開する。

 出身地の市内中心部や今町地区など全域をくまなく回る。街頭演説では「子どもの声が聞こえる明るい見附にする。企業や市民の力を結集して進めたい」と将来像を述べた上で、人口減対策や医療の充実についてさまざまな声を聞き、課題解消に努めるとした。

 個人演説会も連日開き、「官僚経験を生かし、久住氏の築いた国とのパイプを発展させる」とアピールする。久住氏も「私の進めてきた施策を発展させる新しいリーダーには若い世代が最適だ」と応援演説し、幅広い層の支持を取り込む方針だ。

◆8年ぶりの選挙 市民の関心高く

 見附市長選の投票率は1982年は95・56%と高水準だったが、90年は87・99%、2002年は78・87%と徐々に低下し、10年には過去最低の42・70%を記録した=グラフ参照=。14年は65・57%と持ち直したものの、過去に比べると高くなかった。

 両陣営は、19年ぶりにリーダーが代わる新人同士の争いで、市議補選が重なることから、「市民の関心は高い」とみる。一方で、政策に大きな差がないこともあり、10月にあった衆院選小選挙区の67・75%は超えないとも見立てる。

 有権者は、8年ぶりの選挙を歓迎する。

 ただ学校町の70代男性は「選挙公報を見て、選挙カーも回ってくるが、各候補が一番したいことが分からない」ともどかしげ。「もっと候補の言葉を聞いて、慎重に判断したい」と語った。

 子育て中の今町の30代女性は「争点が分かるものがあれば選びやすい」と各候補のさらなる発信に期待。その上で、「子どもの小学校への送迎などを支援してもらえれば。子育て対策を頑張っている候補へ投票したい」と話した。