ブナの樹皮の模様を生かした筆入れや鉛筆など
ブナの樹皮の模様を生かした筆入れや鉛筆など
魚沼市大白川のブナを使い、昭和木工が開発したボールペン=見附市葛巻

 新潟県魚沼市大白川産のブナを製材した際に生じる端材を有効活用しようと、見附市葛巻の昭和木工がボールペンや鉛筆、筆入れを開発した。「ブナの表情」とも言える樹皮の模様を生かした製法を考案。自然の荒々しさと手になじむ優しさが特徴で、「環境に配慮した商品として、身近な道具からブナ林を感じてほしい」と思いを込める。

 魚沼市大白川では約50年前からブナ林を育てており、計画的な間伐を行って木々の成長を助けている。市内外の研究者、企業関係者らで「スノービーチ(雪国のブナ)プロジェクト」をつくり、間伐材の利用促進も図っている。

 昨年完成した魚沼市役所本庁舎で、床材などに大白川のブナを使った際、端材も大量に発生。昭和木工の宇之津昌則社長(64)は、そのことを知り合いの材木業者から聞いた。実際に端材を見ると樹皮の美しさに引かれたといい、プロジェクトに参加。最初に額縁を作り、日常で使える道具にしようと鉛筆やボールペンを思い立った。

 鉛筆には樹皮の付いた辺材を使用。加工機械で中心角60度の細長い扇形に切り込みを入れ、手作業で切り離す。次にそれを模様がつながるように接着剤で合わせ半円にし、芯を入れる溝を掘って、もう一つの半円と合わせる。仕上がりは太さ1センチほどの六角形で、小さな幹のよう。最先端の機械加工と職人の細やかな技が融合した製品だ。

 ブナの模様は一般にコケと言われる地衣類が生みだし、水玉などの多彩なモザイク状が特徴。その模様をより目立たせようと、樹皮をデザインの中心に据えた筆入れも製作した。

 いずれも新製品の応援購入サイト「マクアケ」に1月30日まで出品している。ブナのペンスタンド付きボールペン1本は4600円から、筆入れとボールペン、鉛筆のセットは1万2600円から。これまで孫へのプレゼントとしての購入もあったという。

 宇之津社長は「プラスチック製とは異なる安心感があり、滑らずに指先にフィットする。身の回りの品でブナ林を感じ、自然を大切にする心を持ってほしい」と話す。樹皮を活用したドアレバーやテーブルなども手掛けており、今後も新たな商品展開を目指す。「自然豊かな豪雪地が育てた魅力を発信したい」と意気込んだ。

 問い合わせは同社、0258(62)4668。