3酒蔵の日本酒を使った「純米酒かすてら」
3酒蔵の日本酒を使った「純米酒かすてら」
発売を前に実施された「純米酒かすてら」の試食会=妙高市

 新潟県妙高市内にある三つの酒蔵の日本酒を使った3種類の「純米酒かすてら」が18日、発売される。3酒蔵が協力して初めて商品化し、しっとりした食感に仕上げた。関係者は「日本酒がお菓子にも合うことを知ってもらい、飲まない人にも食べてもらいたい」と話している。

 純米酒を材料にしたカステラは、「君の井」「千代の光」「鮎正宗」の酒蔵3社が、老舗和菓子店「養老本舗 池田屋」(妙高市)と協力して開発した。

 カステラは、新型コロナウイルスの影響で日本酒の消費が減少したことから、鮎正宗の飯吉由美取締役(39)が企画した。「ブランデーを使ったケーキがあるなら、日本酒を使ったカステラがあってもいいのではと思っていた。みんなが提案をすんなりと引き受けてくれた」。以前から交流のある3酒蔵で何かできないかと考えていたという。

 商品開発は池田屋がメインとなって進めた。各酒蔵の純米大吟醸酒や本醸造酒、純米酒などを使い、何度も試作品を作っては味を確認してきた。納得のいく商品が完成するまでに要した期間は約半年。最終的に各酒蔵の純米酒「山廃純米」「千代の光純米酒」「純米にごり酒 毘(びしゃもん)」を使うことにした。

 池田屋の池田雄二郎社長(65)が実感したのは、飲んでおいしい日本酒が必ずしも菓子作りに向いているわけではないということ。「大吟醸で作った試作品を食べられないスタッフが、純米酒入りなら意外と食べることができた」という。試行錯誤の末、日本酒に合う糖類が、和三盆だということも大きかったと振り返る。

 「大吟醸や純米吟醸より純米酒が一番合っている。このカステラから日本酒にも興味を持ってもらえれば」と君の井の田中智弘専務(41)。千代の光の池田剣一郎常務取締役(38)も「食感がしっとりしていて日本酒の良さが出ている」と、味に納得している。飯吉取締役は「地元の人に食べてもらえたらうれしい。日本酒が素材のカステラは安定的に供給できる。妙高の特産品になってくれれば」と、広がりに期待を寄せる。

 8日に妙高市内で開かれた試食会には入村明市長も参加。「質感が良く、ほのかに酒の香りがしておいしい。市外各地に出荷してもいい」と、味に太鼓判を押した。

 「純米酒かすてら」は、箱なしが1個850円。箱入りは1個千円、2個1900円、3個2800円。包装紙は酒蔵をイメージしたデザインを施した。池田屋で販売される。問い合わせは同店、0255(72)2074。