半導体パッケージ基板(下)の生産体制を増強する凸版印刷新潟工場=新発田市
半導体パッケージ基板(下)の生産体制を増強する凸版印刷新潟工場=新発田市

 印刷大手の凸版印刷(東京)が、エレクトロニクス製品を生産する新潟工場(新潟県新発田市)に112億円を投じて設備増強をすることが14日までに、分かった。2022年11月に完成する予定で、半導体関連部品の「半導体パッケージ基板」の生産能力は約1・5倍に高まる。新型コロナウイルス禍によるデジタル化の加速に伴い、急拡大している需要に応える。

 同社は国内印刷2強の一つで、21年3月期の売上高は約1兆4670億円。写真製版技術を基にした各種エレクトロニクス製品も手掛けており、同期の営業利益約588億円のうち2割に当たる約120億円を生み出すなど主要分野の一つとなっている。

 今回投資する半導体パッケージ基板は、半導体の中核であるICチップを外部環境から保護し、プリント配線板に実装する際に使われる。高密度集積回路(LSI)に不可欠な部品で、同社製品は通信、サーバー用といった高性能が求められる所で使われている。

 半導体は、新型コロナウイルスによるリモート活動の普及などで世界的に需要が急増。ウイルス禍によるサプライチェーンの混乱や経済活動再開の影響もあり、供給不足が長期化している。高性能化が進む自動車でも必須の素材で、調達難から各自動車メーカーは軒並み減産を強いられ、原材料高などと並んで日本の経済成長を下押しする要因になっている。

 半導体の不足は当面続きそうだ。主要半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)によると、21年は前年比で2桁成長を予測。22年の市場規模は世界全体で前年比8・8%増の6014億ドルで、うち日本市場は9・3%増の476億ドルと見込まれている。

 凸版印刷は国内に20カ所以上の工場がある。半導体パッケージ基板は全製品を新潟工場で生産しており、今年1月に設備投資に着手した。同工場では、液晶ディスプレーに使われるカラーフィルターも取り扱っている。

 同社は、国内外で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)なども見据え、エレクトロニクス分野のさらなる成長を見込んでいる。中期経営計画では、同分野の営業利益を23年3月期には1・7倍の200億円まで引き上げるとしている。

 同社は「半導体不足は深刻化している。高度化する市場ニーズに対応する次世代向けの製品開発を行う必要がある」と今回の投資の意義を説明する。