再選を決め支持者らと万歳する加藤弘さん=14日、関川村下関の村就業改善センター
再選を決め支持者らと万歳する加藤弘さん=14日、関川村下関の村就業改善センター

 14日告示の新潟県関川村長選は、現職の加藤弘さん(66)=無所属=が無投票で再選した。初当選した前回2017年の村長選に続き、2回連続の無投票だ。村長選としては、前村長が4選した13年から3回連続の無投票となったが、選挙による舌戦を求める声は少ない。背景にあるのは加藤さんが、長年の課題だった村の諸問題を解決してきた実績だ。

 加藤さんは18年6月、事業進展が見込めなくなった木質バイオマス発電事業からの撤退を表明。20年3月には、赤字経営が続いていたわかぶな高原スキー場の閉鎖を決めるなど、村に横たわる大きな課題に次々と決断を下してきた。

 さらには、道の駅のリニューアルやデマンドタクシーの導入、フィットネスジムを拠点にした健康づくり、わかぶな高原スキー場跡地を利用した風力発電事業の誘致を行ってきた。

 関係者の間で、こうした加藤さんの手腕を評価する声は多い。1期目後半の2年間はウイルス禍に見舞われ、思うように動けなかったと同情する見方もあり、2期目への期待感にもつながっている。

 村議の1人は「村の課題解決が進んだからといって、今が出馬のチャンスだと考える者はいない。誰が解決したのか考えれば明らかだ」と無投票に至った構図を解説した。

 一方、人口減対策として新たな雇用創出を求める声は根強い。加藤さんは、11月から村内各地区で村政報告会を開催してきた。参加者からは「若者が定着するには働く場所が必要だ」「村活性化のために企業を誘致してほしい」などの声が相次いだ。

 加藤さんは従来型の企業誘致や工業団地の造成は否定し、「自然に恵まれた地域資源を生かした産業おこし」を掲げる。都会にあるIT企業のサテライトオフィスを村に集積することなどイメージしているが、具体化はこれからだ。

 村職員らの能力向上の必要性を指摘する声もある。女川地区の70代自営業男性は「人口減少が進む中、今後は一層、行政の広域連携が進む。村が圏域の中で埋没しないために人材育成は不可欠だ」と注文を付ける。

 再選決定後、「さまざまな人々の声に耳を傾け、アイデアを形にしていきたい」と述べた加藤さん。次の4年で、新たに見えてきた課題をどのように解決していくかが注目される。