蔦屋書店をフランチャイズ(FC)展開するトップカルチャー(新潟市西区)は、AI(人工知能)を活用した発注システムを使った書籍事業の強化を進めている。AIに顧客データや店舗の特性、書籍の販売情報などを学習させ、仕入れの適正化に生かす。書籍の返品コストを抑制し、粗利率を改善させるのが狙いだ。2026年10月期までの5年間で粗利率を25%から35%に高め、約15億円の利益創出を目指す。

 トップカルチャーは子会社を含め本県など1都9県で70店舗を運営。書籍の売上高は21年10月期で150億6700万円と全体の57%を占め、主要な収益源となっている。

 書籍の流通は従来、出版社、取次会社、書店の3者による「委託販売」という仕組みで行われてきた。取次が書店への配本を決め、書店は売れなければ返品し、出版社が返品コストを負担していた。

 過剰な仕入れによる返品率は業界平均で40%に上り、トップカルチャーの清水大輔社長は「多くの店で『売れなければ返せばいい』という意識があり、適正な仕入れが行われていなかった」と語る。

 そこで同社は、昨年5月にFC本部のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、東京)の販売ネットワークを生かしたAIの発注システムを導入した。CCCグループが持つT会員約7千万人の顧客基盤や、約450万冊の販売データをAIに読み込ませることで、顧客の趣味・嗜好(しこう)や店舗の特性に合った仕入れを図る=図参照=。

 出版社に対しては、「買い切り」という新たな仕入方法を提案。AI発注で返品率を引き下げ、出版社が負担する返品コストを軽減する。捻出した利益はトップカルチャーと出版社で分け合う仕組みで、昨年5月から出版社約20社を対象に実施している実証実験では、同社の粗利率を3・5%改善している。

 今後はAIの精度向上を進めるほか、2年前から全店で導入している独自の在庫管理システムを活用して、さらなる粗利率の改善を目指す。

 清水社長は「これまでは膨大な顧客データがあるのに生かせていなかった。売れ筋商品を見える化し、売り切る売り場をつくっていきたい」と語った。