ふ化場で鮭の卵の様子を確認する三面川鮭産漁業協同組合の佐藤克雄組合長=22日、村上市羽下ケ渕
ふ化場で鮭の卵の様子を確認する三面川鮭産漁業協同組合の佐藤克雄組合長=22日、村上市羽下ケ渕

 伝統的な鮭(さけ)文化を誇る新潟県村上市の三面川で、鮭の人工ふ化用の採卵数が今年は、目標の1千万粒を大きく下回る683万粒にとどまったことが23日までに、三面川鮭産(けいさん)漁業協同組合のまとめで分かった。「ウライ」と呼ばれる仕掛けによる漁獲数は、最終的に前年の7割で終わった。関係者は「32年ぶりの不漁だ」としてふ化事業継続への影響を心配している。

 鮭増殖のため一括採捕を行っている鮭産漁協によると、川幅いっぱいに仕掛けたウライによる漁は、許可期限ぎりぎりの15日まで延長したものの、漁獲数が伸び悩み、1万1088匹だった。過去5年は1万5千匹前後で推移しており、昨年の1万5575匹と比べると7割の漁獲数だ。

 ウライのほか、刺し網漁や組合員のテンカラ釣りなどの数を加えても、15日現在の漁獲量は1万3607匹だ。

 683万粒の卵は、秋田県から譲り受けた27万粒を足してふ化作業に入っている。目標の1千万粒に届いていないが、県内や近県の河川も同じように不振で、これ以上融通してもらえない状況だという。

 ふ化させた稚魚は来春、放流される予定だ。放流量の減少は3、4年後に回帰する鮭の漁獲量に影響する可能性が大きい。

 漁獲・採卵数ともに激減した今年の結果について、鮭産漁協の関係者は「1989年(漁獲6987匹、採卵約544万粒)に次ぐ、32年ぶりの不漁だ」と肩を落とす。温暖化の影響などが指摘されるが、原因は依然として分からないままだ。

 鮭産漁協の佐藤克雄組合長(72)は「これまでも周期的に鮭が取れない年はあった。今年の不漁が一時的なものなのか、三陸のように継続的なものなのか、来年の漁に注目したい」と厳しい表情を浮かべた。