柏崎刈羽原発7号機でも見つかった手抜き溶接工事について、会見で説明する東京電力新潟本社の橘田昌哉代表(左)=24日、同原発
柏崎刈羽原発7号機でも見つかった手抜き溶接工事について、会見で説明する東京電力新潟本社の橘田昌哉代表(左)=24日、同原発

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)6号機の消火配管で30カ所の手抜き溶接工事が発覚した問題で、東電は24日、再稼働を目指す7号機でも74カ所で同様の手抜きが見つかったと発表した。施工した一部の下請け会社が必要な手順を省いたにもかかわらず、「適正に行った」と虚偽報告することが常態化していたことも判明。元請け会社の現場確認も不十分だった。東電は7号機で、この下請け業者の担当箇所など1580カ所の溶接をやり直す。来年1月に始めるが、完了時期は見通せないという。

 東電によると、手抜き工事があったのは原発の火災時に消火剤を通す固定式消火設備。ステンレス製配管を溶接でつなぐ際、酸化による腐食を防ぐためのガスを配管内に流す手順が作業指示書で定められていたが、実施されていなかった。

 溶接工事の元請けは東電グループ会社の東京エネシス(東京)で、同社の下請け6社が施工を担当した。

 エネシスの聞き取り調査によると、うち1社の傘下の溶接士の多くが、定められた手順を守らずに溶接していたと証言した。

 ガスボンベの搬出入や、ガスを流す作業に時間がかかることが動機だったとしている。手抜きを始めた時期は、遅くとも2019年9月という。

 この下請けが担当した7号機消火配管のうち、194カ所を抽出調査し、74カ所で正規の手順と異なる溶接の痕跡が見つかった。

 他の下請け3社が担当した消火配管でも、317カ所で酸素濃度の測定が不十分だったことが判明した。

 東電は手抜きが常態化していた1社が担当した消火配管1220カ所と、新規制基準で義務化されていない自主対策設備43カ所、発注仕様通りに施工されていない3社の消火配管317カ所の計1580カ所の溶接を再施工するよう、エネシスに要求した。

 エネシスは具体的な溶接方法を施工会社に任せ、工事担当者は施工状況を施工記録のみで確認していた。東電はエネシスの施工管理に手落ちがあったとして、一部工事を除き、同社への発注を9月から停止した。

 東電新潟本社の橘田昌哉代表は柏崎刈羽原発で開いた会見で「決められたことがきちんとできていなかったことを重く受け止めている」と述べ、再発防止対策に取り組む考えを示した。

 柏崎市の桜井雅浩市長は24日、市役所で報道陣の取材に応じ、「消火設備の不正施工は重大な問題だ。号機を問わず調査を進めるべきだ」と述べた。