新作や古典落語で観客を魅了した桂文珍さん=1月15日、新潟市中央区
新作や古典落語で観客を魅了した桂文珍さん=1月15日、新潟市中央区

 上方落語家の桂文珍さんによる新春恒例の独演会(新潟日報社など主催)が15日、新潟市中央区の県民会館で開かれた。ユーモアたっぷりの軽妙な語りや、何人もの登場人物を巧みに演じ分ける円熟した話芸に、約900人が引き込まれていた。

 披露されたのは、携帯電話も供養できる寺院で、持ち主の男性の法事を営む家族をコミカルに表現した新作の「携帯供養」のほか、古典の「包丁間男」「天狗(てんぐ)裁き」の3演目。

 天狗裁きでは、寝ている男が見ている夢を巡り、妻や隣人、奉行、天狗ら複数の人物が登場。男と掛け合う滑稽な様子を身振りを交えながら熱演すると、会場は大きな拍手と笑いに包まれた。

 落語ファンという山形県鶴岡市の公務員の男性(58)は「文珍さんらしい軽快な語り口で、新作も古典も楽しめた。この独演会で初笑いができて良かった」と満足そうに話した。