南極に到着し、船から降ろされる大原鉄工所の新型の南極観測用雪上車=19日(国立極地研究所提供)
南極に到着し、船から降ろされる大原鉄工所の新型の南極観測用雪上車=19日(国立極地研究所提供)

 大原鉄工所(新潟県長岡市城岡2)が開発した新型の南極観測用雪上車「OHARA LAV」が、南極の昭和基地に到着した。内陸を移動し、人員や物資を輸送するのに使われる。30年ぶりのニューモデルのため、しばらくは同基地付近で使われ、来年暮れ以降に長距離輸送などで運用される見通しだ。

 国立極地研究所(東京都立川市)などによると、新型車を乗せた南極観測船「しらせ」は19日、昭和基地から約350メートル離れた「定着氷」に接岸。車両はクレーンで氷上に降ろされ、ヘリコプターで基地に先着した第63次南極地域観測隊員らに迎えられた。

 第63次越冬隊は2022年2月から1年間、大気や氷などを観測し、地球全体の気候変動などを調べる。23年秋以降は、大昔から現在までの気候変動を調べるため、100万年前の氷床を掘削するプロジェクトが控える。新型車も掘削所の建設に向けた資材運搬などでの活躍が見込まれる。

 新車両は4人乗りの仕様で、従来機種に比べて室内の高さや幅を広げたほか、断熱性も高め、居住性を大幅に向上させた。重量を抑えながら強度を保つ構造や、見分けが付きやすい緑色の外観も特徴的だ。隊員が安全で快適に過ごせることやデザインが評価され、21年度のグッドデザイン金賞に選ばれた。

 大原鉄工所は国内唯一の雪上車メーカーで、第63次越冬隊員として社員1人が選ばれてもいる。新型車について鈴木正人プロジェクトマネージャー(55)は「まず無事に動いてもらいたい。使い勝手がいいと思ってもらえれば」と期待している。