新変異株「オミクロン株」の感染が急拡大する中で受験シーズンが本格化する。不安な思いでいる受験生は多いだろう。

 大学や関係機関は、受験生が安心して試験に臨めるように態勢を整えてもらいたい。

 15、16日に行われる大学入学共通テストで、文部科学省は11日、新型コロナウイルスの影響で試験を欠席した受験生の合否判定を、国公立大の2次試験など個別試験のみで可能にするよう全国の大学に通知した。

 個別試験も受けられない場合には、追試験で4月以降に入学できるような柔軟な対応をすることも求めている。

 全ての受験生が予定通り受験できることが一番だが、オミクロン株は感染力が強いため、感染したり濃厚接触者になったりする可能性も高くなる。

 通知は、そうした状況でも受験機会を確保しようというものだ。受験生には安心だろう。

 ただ共通テスト本番まで1週間を切るタイミングでの突然のルール変更に、実際に対応する大学側は戸惑いを見せている。

 共通テストを利用する国公私立の大学と短大は計864校に上る。その結果で受験生を絞り込む「二段階選抜」を行う大学もあり、共通テストの受験が前提として組み立てられている。

 私立では共通テストだけで判定する大学も少なくなく、救済策の追試を設けても受験生が集まるかは見通せないと懸念の声が上がっている。

 時間は限られているが、混乱を招かないよう準備に力を尽くしてほしい。

 共通テストを受けた受験生と、受けなかった受験生の公平性をどう保つかなどが大きな課題となろう。

 受験生が必要な情報を得られるよう各大学は積極的な情報提供に努めてもらいたい。

 今回の国の対応で看過できないのは、受験が目前に迫る中で方針が二転三転したことだ。

 文科省は先月末に、オミクロン株の濃厚接触者は症状の有無にかかわらず受験を認めないとするガイドラインを示したが、わずか3日で撤回した。

 濃厚接触者は公共交通機関を利用してはいけないとしていた方針も、タクシー利用を認めるとして改めた。

 厚生労働省や医療関係者と協議し、受験生だけ別の基準にはできないとして、当初は官邸に相談せずに決めたという。

 その後、官邸の意向を受けて変更されたが、政府内の情報共有に不安を抱かせる。オミクロン株の水際対策を巡る国際線の予約停止撤回を思い出す。

 文科省は中学や高校の入試でも感染者らに追試や書類選考のみの選抜実施を推奨している。

 対応する各教育委員会は受験生が混乱しないように分かりやすい説明を心掛けてほしい。

 この時期は冬型の気圧配置になりやすく、本県では交通機関が乱れがちだ。受験生は当日の天気予報や交通情報にも注意し、余裕を持って行動したい。

 体調をしっかり整え、実力を十分に発揮してほしい。