2020年2月の第71回十日町雪まつりで、川治地区の住民らが手作りしたイベント「つまり広場」=十日町市川治中町
2020年2月の第71回十日町雪まつりで、川治地区の住民らが手作りしたイベント「つまり広場」=十日町市川治中町

 新型コロナウイルスの感染再拡大による新潟県十日町市の十日町雪まつりの中止決定から一夜明けた13日、市民の間には落胆ムードが広がった。大がかりなステージショー形式をやめ、市民参加型イベントへと方向転換して3年目。少雪で規模を縮小した1年目に続き、2年連続で中止となる異常事態に、関係者からは「市民の関心が薄れてしまうのではないか」と心配する声も上がる。

 ことしの雪まつりは2月19、20日に73回目が開催される予定だった。

 かつては巨大な雪のステージで人気歌手が繰り広げるカーニバルが目玉だったが、来場者数の減少や費用対効果などの面で見直し論議が浮上。2020年の71回目から雪上カーニバルを廃止し、各地の雪像や地域会場を巡って楽しむ方式に内容を変更した。

 しかし、20年は記録的な少雪に見舞われ、規模を大幅に縮小。感染症の影響で中止を余儀なくされた21年に続き、ことしも中止が決まった。

 長年、着物ショーの運営を担当してきた千原美由紀さん(49)は「去年の中止には残念という思いが強かったが、今回はそれほど心が動かなかった」と複雑な心境を語る。日本唯一の雪上着物ショーを誇りに裏方を続けてきたが、「まつりに携わる機会が減った分、関心も薄くなったように感じる」と、関わりの大切さを実感する。

 雪まつりは、雪の多さを魅力に転じようと市民が大切に受け継いできた。千原さんは「準備は本当に大変だけど、楽しい思い出もある。子どもたちにも体験として伝えていきたい。次に向けて、市民の側から盛り上げていかないと」と切り替える。

 各地区で運営する手作りイベントを楽しみにしていた市民も落胆する。

 川治地区では、住民が実行委員会をつくり、「つまり広場」と銘打って雪像づくりや子どもたちのステージ発表、飲食販売などを行ってきた。今回も、昨秋から会場の水田に保護用のシートを設置するなど準備を進めていた。

 遠田克典実行委員長(52)は「感染状況を考えると、中止は仕方ない」とした上で「来年もどうなるか分からない状況で、私自身もモチベーションが下がってきている」と明かす。

 荒天で外出が減る冬場、雪まつりは近所の人と顔を合わせて交流する、貴重な集いの場だ。昨年は住民限定で小規模な催しを決行した。ことしの対応は「これから実行委で相談するが、どうなるか」と話す。

 十日町商工会議所の佐野比呂史専務理事(66)は、市内の経済や観光に与える影響について「大地の芸術祭など会期の長いイベントほどは出ないだろう」と受け止める。一方で、「雪まつりは市民の誇りでもあり、熱い思いで取り組んできた人にとってはダメージは大きいのではないか」と心配している。