今泉テントのドームテントが使われている足摺岬のグランピング施設=高知県
今泉テントのドームテントが使われている足摺岬のグランピング施設=高知県

 各種テント製造の今泉テント(新潟県長岡市)は、自然の中で高級ホテルのようなサービスが体感できる「グランピング」用に開発したドームテントの売り込みに力を入れている。新型コロナウイルス禍で野外活動の人気が続いていることを受け、テント専業で培った技術を応用。全国のリゾート施設などに採用を呼び掛けており、5年後の全社売上高を現在の2倍超に高めたい考えだ。

 同社は、膜を使った各種建築物の設計や製造を手掛ける。倉庫や工場をはじめ、屋根付きのスポーツ施設など用途は幅広い。軽量な上に大きな柱を必要とせず、施工費用や工期を抑えられる利点があるという。

 新型ウイルス禍で自社製品がPCR検査場の設営などにも使われていたが、「密」を回避したレジャーとしてキャンプを楽しむ人が増えている点に着目。テントの据え付けなどの作業を伴わずにアウトドアを楽しめるとして人気を集めるグランピング分野に取り組むことにした。

 グランピングは、専用スペースに常設された大型テントを使う。寝泊まりなどをする拠点となるが、通常は割安な海外製が用いられていることが多いという。

 同社はテント専業の技術で差別化ができると判断。風にあおられても倒れないようスチール製の肉厚なフレームを組み合わせて強度を高めたドーム状のグランピング製品を開発した。自然を観賞できる透明な膜を取り入れ、内部でストーブなども使えるよう換気機能を設けている。

 1棟約25~40平方メートルで、価格は施工費を含め約350万~400万円。既に高知・足摺(あしずり)岬のグランピング施設に設置されているほか、全国の観光施設から関心を寄せられているという。

 今泉義春会長は「開放感があり、かつ丈夫でもある。グランピングの楽しさを十分引き出すことができる」と話している。

 今秋には長岡市の本社工場近くに新たな工場を稼働する予定で、需要増に備えた生産体制を整えていく。主力の建築物などと合わせ、2021年3月期の売上高41億円を27年3月期には100億円に引き上げる計画を立てる。