新潟日報メディアシップ開業10周年を記念して開かれる「木下大サーカス」新潟公演の3月25日の開幕まで1カ月を切った。2013年以来、10年ぶりとなる公演を前に、注目の演目や見どころを紹介する。(5回続きの3)

4頭のライオンが間近で見られる猛獣ショー。大きさに圧倒される
ステージに設けられた直径約12メートルのおりの中に、4頭のライオンが姿を現すと、観客は「うわー」「大きい」とどよめいた。
希少なホワイトライオンなど体重160〜220キロのライオンが出演する「世界猛獣ショー」だ。迫力満点の約10分間のショーは、大人も子どもも夢中になれる。
2頭のホワイトライオンは雌のシヴァと雄のフェロで、年齢は16、17歳。ほかに、ロミオとジュリエットと名付けられた雄と雌の18歳のライオンがいる。
英国出身のベテラン調教師マイケル・ハウズさん(53)が棒やむちを床に打ち、音で指示を出すと、ライオンが足を上げて立ち上がったり、数メートルの間隔がある台と台の間を軽やかにジャンプしたりする。猫のようにくるりと寝転がるシーンや、時々「ガオー」と野性味あふれる声を上げる場面も。
ハウズさんは、猛獣たちと言葉によるコミュニケーションを大事にしているという。むちは手にしているが、ライオンの体に当てるのではなく、素早く指示を出したり、気を集中させたりするために使う。

ライオンに体を付けてなでるマイケル・ハウズさん
30年以上動物の調教をしているハウズさん。ライオンたちが暮らす宿舎や遊び場のすぐそばで寝泊まりし、毎日清掃や餌やりなど世話をする。「家族のように接し、体に傷がないかや、日々歩き方などを見て状態をチェックする」と話す。ショーは、互いの信頼関係があるからこそ成り立つ。
ハウズさんの父や祖父もライオンの調教をしていた。自身は母国で19歳の時からサーカス団で動物に関わる仕事をし、映画に出演する動物の訓練をした経験もある。
「油断すれば危険な目に遭うが、怖いことはない」とにこやかに話す。ライオンが小さい頃から世話することで、触ったり、乗ったりもできるようになるのだという。
野生のライオンは環境破壊や気候変動などの影響で生息数が減っている。「人間の手で保護することも大事。子どもたちにも生でライオンを見るチャンスを与えられるのはいいことだと思う」と語る。

台の上で立ち上がるライオン
ハウズさんの家族も木下サーカスの団員として活躍する。妻のボビーさん(50)はイリュージョンやシマウマショーに出演し、長男マイケルジュニアさん(22)と次男アーロンさん(19)はローラースケートの演目に出ている。マイケルジュニアさんは古典芸の坂綱や竹渡りも習得し、ステージに立つこともある。
ハウズさんは10年前の公演で新潟に来ている。「気候がよく、人々は親切だった。公演以外の休みの日も、いつも動物と一緒に生活しているので、海やホームセンターに行くくらいだった」と振り返る。
「10年前に見たことのある人も、初めての人も、ホワイトライオンのショーをぜひ楽しみにしていてほしい」と力を込めた。
<会場>新潟県スポーツ公園第4駐車場特設会場(新潟市中央区長潟)※ハードオフ・エコスタジアムの南側
<前売り券>自由席は大人3千円、3歳〜高校生2千円(いずれも当日500円増し)。大学・専門学校生2400円(同400円増し)。NIC新潟日報販売店などで販売中。指定席の追加料金は1500〜3500円で、セブン-イレブンやローソンなど、各種プレイガイドで販売中。
<問い合わせ>新潟日報社読者局ふれあい事業部025(385)7470。
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