例年にない早さで桜前線が列島を駆け抜けています。新潟県内各地を彩る桜スポットを紹介します。
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◆里山に映える花々の競演 しらさぎ森林公園(三条市矢田)
ハナショウブで有名なしらさぎ森林公園は、春は計50本のソメイヨシノと山桜に彩られる。芝生の広場と花菖蒲(はなしょうぶ)園で、趣の異なる桜が堪能できるのが魅力だ。

里山の春を感じられるしらさぎ森林公園。足元にはミズバショウが咲く=4月4日、三条市矢田
公園は、散策道なども含め広さ約6万8千平方メートル。遊具がある広場はソメイヨシノに縁取られ、バーベキューも楽しめることから家族連れらでにぎわう。奥へ進むと、木道が整備された花菖蒲園に出る。現在はミズバショウが白い花を咲かせ、周囲の森の桜と競演。山歩きのような爽快感を味わえる。
山あいで日照時間が短いことから開花は遅めだが今年は早く、4日には八分咲き。三条市建設課では「今年は鳥害が少なく多くの花が咲いたので、ぜひ足を運んでほしい」としている。
◆知る人ぞ知る「花の壁」 弥彦総合文化会館の桜(弥彦村弥彦)
弥彦城山森林公園内に立つ総合文化会館裏には、枝ぶりの大きい桜の古木4本が咲き誇る。会館正面には風情あるしだれ桜、両脇にソメイヨシノが並び、閑静な森の春を演出しているが、建物の裏まで足を運ぶと目が覚めるような豪華な光景が広がっていることは、あまり知られていない。

壁のように咲く桜。対面する総合文化会館の大きなガラス窓いっぱいに映る光景も圧巻だ=4月4日、弥彦村弥彦
弥彦観光協会事務局長の三富克是さん(67)は「以前村内の桜をあちこち調べていたとき、ここへ来たら花の壁があるように見えてすごいと思った。隠れた名所だ」と語る。
木々は樹齢50年ともいわれる。三富さんは「いつまで花を咲かせてくれるか」と少し寂しそうに見上げる。既に満開で、今週末ごろまで、はかなくも華やかな春を楽しめる。