【2022/01/24】

 「大丈夫。この方向で間違いない」。1964年の東京五輪表彰式。テレビに映るコンパニオンの振り袖姿を見つめ、吉澤織物専務(現会長)の吉澤慎一(しんいち)氏(87)は確信していた。

 前年、十日町織物工業協同組合は、100億円産地を目指す「T100作戦」を打ち出していた。明石ちぢみに代表される「織り」で発展してきた産地に、友禅の「染め」の技術を導入し、「着物の総合産地」を目指す…

残り1454文字(全文:1671文字)