選挙戦で街頭演説をする冨樫一成さんと、後ろを通る森田幸衛さんの選挙カー。2人が保守分裂選挙で激しく争った=4月1日、胎内市野中
選挙戦で街頭演説をする冨樫一成さんと、後ろを通る森田幸衛さんの選挙カー。2人が保守分裂選挙で激しく争った=4月1日、胎内市野中

 4月9日に投開票が行われた新潟県議会議員選挙(県議選)の胎内市区(定数1)は、無所属で出馬した自民党員の新人森田幸衛さん(63)が初当選し、自民公認の現職冨樫一成さん(52)が最下位で落選した。“造反”による保守分裂の事態になったのは、市議らが現職の市と国・県の間の調整力などに不満を募らせ、前市議の森田さんを擁立する流れができたためだ。

◇胎内市(定数1-3) 選管最終
当 5,814 森田 幸衛 63 無新(1)
  4,319 佐藤 陽志 49 無新
  3,130 冨樫 一成 52 自現
(かっこ内は当選回数、敬称略)

 昨年11月に自民が冨樫さんを公認したが、多くの市議らが国や県、市の調整役としての仕事ぶりなどを疑問視。新たな地域代表を立てようと擁立活動を続けた末、森田さんが決断した。

 森田さんの選挙運動では市議や井畑明彦市長がマイクを握った。井畑市長は「『胎内と県の連携が心配だ』という声が聞かれる。政党や現職かどうかは度外視して森田さんを応援する」と明言。市議は「県議としての...

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