4月16日に告示された新潟県の加茂市議会議員選挙(市議選)には定数と同じ15人が立候補し、44年ぶりに無投票当選が決まった。市長選とともに無投票となった市議選について、有権者からは各候補の論戦を聞いて一票を投じることができなかったことを残念がる意見が上がった。また、無投票の背景には議員のなり手不足を指摘する声もある。
加茂市議選の当選者の内訳は現職10人、元職1人、新人4人。市議会では、市の人口が減少する中、議員定数を18から3削減する条例改正案を、昨年の市議会9月定例会で可決した。
今回は定数減となった初の市議選だったが、高齢化などで現職5人が引退。15人目の候補者が告示直前まで現れず、欠員が生じる可能性があった。
前回は1人超過の戦いで、各候補の訴えに耳を傾けた上で、投票することができた。市内の公務員男性(49)は「無投票になり、有権者の民意を反映するための投票の機会がなかったのが残念だ」と語った。
15人の当選者のうち、新人4人の中には20代1人、40代2人が含まれ、市議の若返りが一定程度、進んだ面がある。ただ、市議の中には無投票当選になった背景には、議員のなり手不足があるとの見方が広がる。
ある中堅市議は「出馬しようとしても家族や周囲の理解が得られず断念する人たちがいた」と嘆く。その上で「市議会の存在意義をもっと市民にアピールする必要がある」と危機感を示した。