機械を操作し、手先を動かしながら黙々とやすりを仕上げていく岡部キンさん。高い技術力と繊細な感覚は今なお健在だ=燕市燕
機械を操作し、手先を動かしながら黙々とやすりを仕上げていく岡部キンさん。高い技術力と繊細な感覚は今なお健在だ=燕市燕
須佐香さん(右)と語らう岡部キンさん。後進を導き、温かな目で成長を見守ってきた=燕市燕

 99歳の現役職人として、柄沢ヤスリ(新潟県燕市燕)で働く岡部キンさんが今月、100歳で現場を退く。やすりの表面にたがねを打ち付け、細かな目を刻む「目立て職人」として60年以上、会社の第一線で活躍。90歳で開発した品をヒットさせ、卓越した技と仕事への意欲的な姿勢で会社を導いた。「みんなに大事にしてもらえました」と感謝の言葉を重ねる岡部さん。その姿には誇りとやりがいを胸に、職人生活を全うした充実感が...

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