敗戦を告げるブザーとともに、スタンドからため息が漏れた。バスケットボールB1リーグで5月6日の信州戦に敗れ、新潟アルビレックスBBは来季のB2降格が決まった。ホームのアオーレ長岡(新潟県長岡市)には奇跡の残留を願って3千人を超えるブースター(ファン)が詰めかけ、声を枯らした。厳しい結果に悔しさをにじませ「1年でB1復帰を」と求めた。
B1は下位2チームがB2に降格する。最下位の新潟は「崖っぷち」からの4連勝で最終節2試合に望みをつないだが、残留には勝つしかなかった。
試合は序盤からリードを許す苦しい展開。ブースターは逆転を信じて最後まで声援を送ったが、かなわなかった。
長年応援しているという長岡市の79歳のブースターは「選手は気負い過ぎて空回りしていたが、よく頑張った」とねぎらった。南魚沼市の高校3年生(17)は「悔しいが全力で戦ってくれた。すぐにB1に戻ってほしい」と話した。
一方でチーム運営に厳しい声も。新潟は2年前にパワーハラスメントで関係者がリーグの処分を受け、今季も途中で監督が辞任するなど混迷が続いた。長岡市の自営業男性(46)は「この2、3年の悪い流れが続いている。プロは勝ってなんぼ。フロントにもいい人材が必要ではないか」と指摘した。
敗戦後、川上明社長(53)は観客を前に「降格となった結果にクラブを代表しておわび申し上げます」と頭を下げた。長岡市の磯田達伸市長は「シーズンの終盤戦で見せた粘り強さでB2リーグを勝ち抜くことを心から願う。長岡市は引き続き応援していく」とコメントした。