新型コロナウイルスのオミクロン株急拡大を受け、感染者の濃厚接触者となった同居家族に発熱などの症状がある場合、検査をせずに医師の判断で感染者とみなすことができる仕組みを、新潟県を含む17都府県が始めたことが2日、共同通信の調査で分かった。神奈川県は濃厚接触者とは別に、若年で重症化リスクが低い人について医療機関を受診せず自宅療養することも認めている。いずれも「みなし陽性」の扱いで、発熱外来に患者が殺到し、検査が追い付かなくなるのを防ぐ狙い。

 こうした仕組みは政府が1月24日に打ち出したばかり。「検査、受診が原則」からの方針転換で、実際の運用判断は自治体に委ねた。感染がさらに広がれば導入する自治体も増える可能性がある。濃厚接触者や自宅療養者に対応する医療提供体制の整備が課題だ。

 共同通信が1月31日〜2月2日、47都道府県の担当部署に取り組み状況を聞いた。濃厚接触者となった同居家族の検査を省略し、医師が症状のみで感染したとみなす仕組みを始めたと答えたのは17都府県。福岡県は爆発的な感染拡大や検査薬の供給不足を踏まえ、「外来診療体制に影響が見られ始めている」としている。このほかに「開始予定」「検討中」としたところもあった。

 陽性とみなされた濃厚接触者は、症状に応じて入院したり、自宅で療養したりする。ただ飲み薬の投与や、他の病気との判別が必要な場合は、確定診断のためPCR検査などが必要となる。

◆新潟県内では36人を判定

 新潟県と新潟市は先月29日から「みなし陽性」として判定された人数を公表している。今月2日までに計36人が判定された。一部地域で発熱外来が逼迫(ひっぱく)したため、国が「みなし陽性」の扱いを打ち出した直後に検討を始め、導入を決めた。

 県と市は2日、過去最多となる700人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表。このうちの20人が「みなし陽性」だった。

 県内では年明け以降の爆発的な感染拡大を受け、新型ウイルスの診療・検査に対応する医療機関(発熱外来)が少ない一部地域で、検査が追い付かなくなる懸念が高まった。検査キットの供給不足もあり、県は必要な検査を滞らせないための予防的な措置として「みなし陽性」の取り扱いを決めたという。

 県感染症対策・薬務課の星名秋彦課長は「マンパワーが限られる中、外来診療の逼迫を防ぐためには検査の効率的な運用が必要だ」としている。