2015年から休止し、新潟県柏崎市政の懸案となっていた道の駅「風の丘米山」(柏崎市青海川)の再整備事業が動き出している。
柏崎市は2023年度、施設や駐車場、通路の配置などをまとめる基本設計に着手した。近隣の民間商業施設「日本海フィッシャーマンズケープ」のリニューアルと連携して再整備し、にぎわいづくりにつなげたい考えだ。25年度に着工し、27年度の完成を目指している。
道の駅「風の丘米山」は、日本海フィッシャーマンズケープから国道8号を挟み、直線で約300メートル離れた小高い丘の上にあった。「米山山荘」を駅舎として1997年に道の駅に登録されたが、山荘の老朽化などのため2015年に休止し、現在は解体されている。
再整備に向けて柏崎市は、風光明媚(めいび)なエリアにあり、柏崎市内屈指の集客力を誇る日本海フィッシャーマンズケープとの連携を模索してきた。2022年6月に日本海フィッシャーマンズケープを運営する「ニッカイ米山」(柏崎市)と、親会社ですし店などを展開する「エムアンドケイ」(金沢市)、柏崎市の3者で再整備に関する協定を締結した。
協定の内容は、柏崎市が日本海フィッシャーマンズケープの土地の一部を取得して、道の駅エリアに編入。このエリアに情報発信施設や休憩施設を整備する。これに合わせて、ニッカイ米山とエムアンドケイは残るフィッシャーマンズケープ内の土地に商業施設を新たに整備し、施設完成後も活性化に向けて連携する。
施設の全体構想としては、風の丘側にトイレや情報発信スペース、駐車場といった道の駅としての施設を配置。芝生広場や展望デッキを整備する。また、日本海フィッシャーマンズケープ側にも同様の道の駅の施設と商業施設を設ける。整備エリアは計約2・5ヘクタールを予定している。
柏崎市はこのエリアの概算事業費として、市の整備分だけで15億円程度を見込む。このほか、商業施設の再整備にも財政支援を行う考えを示している。
柏崎市は2023年度の一般会計当初予算に基本設計を行う費用として約5300万円を計上。「道の駅『風の丘米山』整備推進室」を設置し、体制を強化した。国から休憩施設などの再整備にかかる調査費約2600万円の補助も受ける見通しだ。24年度に実施設計を行い、25年度に着工、27年度の完成を目指す。
柏崎市は風の丘を「市西部の観光拠点」「西の玄関口」と位置付けており、休止が続いている現状は懸案となっていた。
柏崎市の桜井雅浩市長は5月10日の定例記者会見で、これまでの道の駅について「丘の上にあって、観光客らを誘導できなかった。民間の力を借りて、にぎやかな道の駅にしたい」と話した。