良寛への愛にじむ墨蹟

 會津八一(1881〜1956年)は、75年の生涯で1150首ほどの短歌を詠んだ。同時代の歌人斎藤茂吉の歌作数1万8千余首に比べると、八一の方が随分と少ない。

 八一は、自分の気持ちにぴったりとした歌を詠みたいと、何度も何度も口ずさんで推敲(すいこう)し、調べのよい歌を終生追求した。そのため、歌の数が少なかったのである。

 本展は、27歳の時に初めての奈良旅行で詠んだ歌から、生涯で最後となった香川県八...

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