2月上旬の降雪を受けた屋根の雪下ろし作業=南魚沼市六日町
2月上旬の降雪を受けた屋根の雪下ろし作業=南魚沼市六日町

 昨年末以降の断続的な降雪で平年より積雪が多くなっている新潟県魚沼地域では、除雪作業など雪による死亡事故が相次いでいる。今冬は14日までに5市町で計9件発生して9人が亡くなり、過去10年で最多となっている。自治体や専門家は改めて転落防止などの安全対策、家族や周囲への声掛けの徹底を呼び掛けている。

 県によると、2021年度の雪による被害は14日現在、県内全体の死者が14人、重傷者が59人。このうち魚沼地域5市町(南魚沼、魚沼、十日町、津南、湯沢)では死者が9人、重傷者が29人に上る。自治体別の死者は十日町が3人、南魚沼、湯沢が各2人、魚沼、津南が各1人となっている。

 県の統計が残る04年度以降、魚沼地域で死者数が最も多かったのは04、05年度の14人。次いで10、11、14年度の8人だった=グラフ参照=。

 県や各市町などによると、重大事故の多くは、屋根の雪下ろし中の転落や落雪の下敷きになったとみられるケースが多く、水路への転落、小型除雪機の刃に巻き込まれる事故もあった。1人での作業も目立ち、事故や異変に周囲が気付くまで時間がかかっている。

 また、除雪作業中に突然意識不明になって倒れ、亡くなったケースも複数あった。長岡技術科学大の上村靖司教授(56)は、急激な寒暖差による「ヒートショック」の可能性があると指摘。「高齢化によって増えており、除雪前の準備運動で体を温め、何かあったときのために周囲に声を掛けてほしい」と話す。

 各自治体では啓発や対策を強化。十日町市は除雪作業の多い週末に重点を置いて行政無線で注意喚起を行う。南魚沼市もけが人が発生するたびにホームページで呼び掛けている。

 魚沼市は、はしごから屋根に乗り移る際に転落する危険性に着目。手すりを備え、屋根に移る際に邪魔になる最上段のステップを無くすなど安全対策を施したはしごの購入費の助成制度を新設し、これまで28件の申請があった。

 上村教授は「倉庫や車庫、カーポートなどは『屋根が低いから大丈夫だろう』と油断しがちだ」と強調。「春先になると水路への転落も増える。水深が浅くても狭くて動けなくなるなど、死亡のリスクが高い」と注意を呼び掛けた。