インターネットで119番通報できるシステムのスマートフォンの画面
インターネットで119番通報できるシステムのスマートフォンの画面

 新潟市消防局は、電話することが難しい聴覚障害者ら向けに、スマートフォンを操作して119番通報するシステムについて、新潟県内16の消防本部と共同で運用する協定を結んだ。魚沼市と十日町市の消防本部は、独自のシステムを導入しており、7月からは全県での運用が始まる。

 システムは聴覚や言語機能に障害がある人が事前に登録し、緊急時にスマホの画面から「火事」「救急」などを選択して通報できる仕組み。チャット機能もあるため、従来のファクスやメールによる通報より意思疎通が図りやすく、衛星利用システム(GPS)で通報者の位置情報も分かる。

 新潟市は2020年7月に導入。一方で利用者が少なく、整備費用も高額なため、21年11月末時点の県内消防本部の導入率は約20%で全国最低水準だった。市は利便性を高めるため、システムへの参加を他の市町村に呼び掛けていた。

 共同運用で市にとってはコスト削減になるほか、市民が市外でもシステムを利用できるメリットがある。

 共同運用協定は3月28日に締結した。運用が始まる7月以降は、システムからの通報は市消防本部が一括して受信し、電話などで対象エリアの消防本部に連絡する。

 スマートフォンを操作する119番通報システムを巡っては、利用者の事前登録が伸び悩んでいる。市内の対象者は約6千人だが、システムの登録は3月末時点で310人程度で、実際の通報は1件。障害がある人は周囲の人に頼んで通報するケースが多いためとみられ、県内の各消防本部が周知に力を入れる。

 市消防局指令課の新保敏之課長は「いつどこで救急車や消防車が必要になるか分からない。周囲のサポートがない場合などに備え、ぜひ登録してほしい」とPRしている。