江戸時代後期に酒造りを始めた新潟県小千谷市の高の井酒造(東栄3)が、同社初となる直売所「ゆきみず庵(あん)」を敷地内にオープンした。自社製品の販売に限らず、花火やへぎそばに関するセミナーを開くなどして、小千谷の魅力を発信する観光スポットとしての活用も計画。地域の盛り上げにつながることを期待する。
新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少する中、新たな観光の受け皿を設けて状況を打開しようと、事務所だったスペースを1500万円かけて改装した。県内の業界では近年、蔵元に直売所を設ける流れがあり、JR小千谷駅に近い同社もオープンを決めた。
約40平方メートルの直売所では、雪の中で熟成させる「雪中貯蔵酒」など約20種類の酒のほか、菓子やおちょこといった物品も販売。500円で6種類の酒を味わえる試飲コーナーも設けた。
直売所のオープンに伴い、これまで行っていなかった酒蔵見学も企画。予約制で、担当者が製造過程を説明する。今後は、花火やへぎそばといった小千谷の文化、食を知るセミナーも企画する予定。市内のさまざまな分野の企業と連携し、小千谷の魅力をPRする拠点にしたい考えだ。
同社は、ゆきみず庵での売り上げ目標を2022年度の1年間で1500万円とし、ゆくゆくは売り上げ全体の2割ほどに成長させたいとしている。
山﨑亮太郎社長(48)は「小千谷の特産や文化とコラボレーションしながら、酒を通じたコミュニティーが生まれる場にしていきたい」と話している。
午前10時〜午後4時。日曜、祝日定休。酒蔵見学などの問い合わせは、0258(86)6090。
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