解体撤去される小型風力発電機「なぎさの白い風車」=新潟市中央区
解体撤去される小型風力発電機「なぎさの白い風車」=新潟市中央区

 新潟市が中央区水道町1の海岸沿いに設置していた小型風力発電機「なぎさの白い風車」が、当初想定していた20年の使用期間の半分にも満たない約9年で運転を停止し、解体撤去されることとなった。赤字が続く上、維持する場合は多額の修繕費が必要になることなどが要因。「マリンピア日本海」近くの目立つ場所に設置され、訪れた人の環境意識向上に一定の役割を果たしたが、早々に事業を終えることに、見通しの甘さを指摘する声も上がる。

 風車は高さ約13メートルで、海に向かって5基が並ぶ。3月末に運転を停止した。市は再生可能エネルギーの活用をPRしようと、事業費約5千万円をかけ、2013年7月に設置。隣接する市の施設「老人憩の家なぎさ荘」の電気の一部を賄い、余剰分は東北電力に売却。電気代の節約分と売却益を合わせ、年間約50万円の効果を見込んでいた。

 しかし、同9月に落雷によるブレーキ故障で1基のプロペラが落下。14年には電気制御の不具合で一時稼働を停止するなど苦難が続いた。年間発電量は計画の2割ほどの5千キロワット時前後にとどまる一方、維持費はかさみ、毎年約120万円の赤字を計上していた。

 運転し続けるには、940万円ほどかかる大規模修繕が必要だといい、市は本年度中の解体撤去を決めた。費用は1100万円。これに対し市議会では、10年もたたずに事業が打ち切られることに、妥当性を問う声や、「しっかり検証しなければいけない」といった指摘が出ている。

 なぎさ荘で週4回ほど入浴する中央区の無職男性(82)は「風力発電を知るきっかけになった。なくなるのは少し寂しい」と残念がった。

 市環境政策課は「市民啓発の役割はある程度果たしてくれた。事業内容については、今後も検証していく」としている。