2023年春の新卒採用について、新潟県内の主要企業に採用計画をアンケート調査しました。新潟県内で就職活動をしている学生や地元就職、U・Iターンを考えて就活中の皆さんに「新潟日報デジタルプラス」で県内企業の情報をお届けします。

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 新潟日報社が県内主要企業約130社に行った2023年春の新卒採用アンケートは、22年春実績と比べて採用を「増やす」「前年並み」と回答した企業の合計が9割弱に上った。新型コロナウイルス禍の長期化や原材料高などで先行きには不透明感が漂うものの、企業側の若年層採用の意欲は衰えていないことが示された。人手不足解消や人員構成の適正化に加え、事業の拡大を図る意向がにじんだ。感染禍で迎える3回目の新卒採用で非対面形式が定着する一方、自社の魅力の発信に苦労する企業側の様子も垣間見える。

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 「増やす」が多かったのは百貨店・チェーンストアで、13社中7社が占めた。感染禍での巣ごもり需要を背景に内食関連やDIY、園芸、キャンプ用品などは堅調に推移する。同業のビバホーム(さいたま市)を子会社化し、業容の拡大を図るホームセンターのアークランドサカモト(三条市)は、ビバとの合同採用とし、前年実績の約2・5倍に当たる100人を計画。約1200店舗を展開するコメリ(新潟市南区)も前年並みの250人を予定する。他もほぼ前年と同程度を維持する見通しだ。

 スーパー業界も、巣ごもり需要の追い風を受けて採用に前向きだ。県内最大手のアクシアルリテイリング(長岡市)は前年を上回る100人規模の採用を計画。ウオロクホールディングス(新潟市中央区)は前年並みの40人を見込む。

 食品関連も19社中16社が「増やす」か「前年並み」と回答。前年10人だった伏見蒲鉾(新潟市北区)は20人程度に倍増。米菓最大手の亀田製菓(同市江南区)は前年並みの40人規模とする。

 機械・金属・その他製造は、18社のうち4社が「増やす」とし、日本精機(長岡市)は前年の17人から30人程度に計画数を引き上げた。経済活動の再開から業績が回復基調となる一方で、原材料の調達難や価格高騰などに直面し、13社は「前年並み」とした。

 建設・住宅関連16社のうち、県内建設最大手の福田組(新潟市中央区)と本間組(同)など4社は人手不足などを背景に増やす計画を打ち出す。このほか11社が前年並みとする見通しだ。

 運輸は、新潟運輸(同)で前年実績6割増の43人を計画するなど増やす傾向が見られた。公共交通運営会社「みちのりホールディングス」(東京)の傘下で経営再建を目指す佐渡汽船(佐渡市)は未定とした。

 ITを含む印刷・情報関連は10社中4社が「増やす」とし、NS・コンピュータサービス(長岡市)は、ほぼ倍増の50人とする計画。ソリマチ(同)も前年の4人から9人に増やす方針だ。

 方向感を含め「増やす」と回答した企業の多くは「年齢など人員構成の適正化」を挙げ、人手不足感も業種を問わず高まっている。22年度採用活動で実績が計画人数に達しなかった企業が少なからずあることも影響しているとみられる。食品メーカーや小売りなどでは需要の高まりから、販売や営業の増強を図りたいとの見通しも示された。

◆企業が重視する点は?
対人関係を形成する力やチームワーク

 企業が採用選考で重視する点(複数回答)では、122社が「コミュニケーション能力」と答え、最多の94・5%を占めた。「人柄」が98社(75・9%)、「協調性」が93社(72・0%)で続き、上位3項目は前年と順位が同じだった。感染禍で対面型の企業活動が制約される環境であっても、対人関係を形成する力やチームワーク力を重視する傾向が続いている。

 一方、個々の力量や向上心の高さを求める「チャレンジ精神」と「行動力」が84社(65・1%)で同数。「責任感」が75社(58・1%)だった。「学生時代の活動」「専門知識・資格」「出身校・学業成績」は下位だった。

 1社当たり平均で4〜5項目を選考で重視する点として挙げており、バランスの取れた人材を求める実態もうかがえた。