第2回直木賞を1936(昭和11)年に受賞し、県人初にして唯一の直木賞作家でありながら、文壇からも故郷からも忘れ去られたまま亡くなった小説家・鷲尾(わしお)雨工(うこう)(1892〜1951年)。彼の姿は、塩浦林也氏の研究書「鷲尾雨工の生涯」(1992年)や、93年に出生地・旧黒埼町(現新潟市西区)で開催された初の回顧展によって明らかにされてきた。

 旧黒鳥村に生まれ小千谷で育った雨工は、作家を志…

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