三上俊彦医師
三上俊彦医師

 虫歯でもないのに歯痛を感じる歯根膜炎という病気があることを知りました。硬い物を噛(か)むことや、睡眠中の歯ぎしりが原因で引き起こされるようです。対処法を教えてください。(胎内市・55歳男性)

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 歯根膜は歯根(歯の骨に埋まっている根の部分)と骨の間にある薄い膜状の組織で、歯周靭帯(じんたい)ともいいます。厚みは0・2ミリほどですが、クッションのように噛んだ時に加わる力を分散させ、歯根膜にある知覚神経が食べ物を噛んだ時の硬さや微妙な食感を識別しています。このように歯が正常に機能するために重要な役目を果たしています。

 この歯根膜に炎症が起きた状態を歯根膜炎といい、歯の浮いたような感じや噛んだ時の痛みが特徴です。歯根膜炎は虫歯や歯周病の他にも「過度の力」が歯に加わることで起こります。過度の力には、(1)間違って硬いものを噛んでしまう(2)噛み合わせのバランスが悪く、特定の歯に持続的な強い力がかかってしまう(3)無意識にしてしまう歯ぎしり・くいしばり-などがあります。

 (1)は基本的に安静にしていれば自然治癒しますが、歯が割れてしまっている場合は積極的な治療が必要です。(2)は局所治療のみではなく、噛み合わせを含めた総合的な歯科治療が必要です。(3)は根本的な治療(歯ぎしり自体をなくすこと)は困難ですが、歯へのダメージを減らすためにマウスピースが有効な場合が多いです。

 いずれにしても歯根膜炎の原因を明確にするためにも、噛み合わせを含めた総合的な診断が治療法の選択には重要ですので、受診をお勧めします。

(新潟医療センター・歯科・口腔外科)